住所:東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエストタワー17F
TEL:03-6840-1536(代表)

World-IP-system-ASIA-KR

各国知財制度

北米・中米・南米

アメリカ カナダ メキシコ アルゼンチン

ヨーロッパ

EPO EU イギリス

アジア・オセアニア

日本 中国 香港 韓国 台湾 ミャンマー
ベトナム オーストラリア ニュージーランド


アジアの知財制度

韓国特許制度

 最新制度 2022年10月18日 施 行
 韓国での特許出願に関する準拠法は、
  特許法        ― 特許の規定をひとつにまとめた法律
  特許法施行細則  ― 特許手続きに関する細かい規定
  特許法施行令    ― 特許法を実施するために制定されるルール
 である。

【項目】




1.出願人資格

 発明者、承継人(自然人、法人)(特許法第33条)


2.出願言語

 韓国語での出願を原則とするが(特許法施行規則第4条)、外国語(英語のみ)での出願も可能である(特許法第42条の3、特許法施行規則第21条の2)。
 ただし、英語で特許出願をした場合には、出願日(最優先日)から1年2月になる日までに 明細書及び図面(図面中の説明部分に限る。)の韓国語翻訳文を提出しなければならない(特許法第42条の3第2項)。


3.出願書面
 ・特許出願は、特許出願人が願書に明細書(発明の説明、請求の範囲 )、必要な図面、要約書、代理人によって手続を踏む場合にはその代理権を証明する書類、その他法令の規定による証明書類を添付して、特許庁長官に提出しなければならない(特許法第42条、特許法施行規則第5条1項)。
 ただし、請求の範囲は優先日から1年2月(または他人による審査請求の趣旨の通知を受けた場合には、その通知を受けた日から3月になる日のうち早い日)までに補正 をすることが 可能である(特許法第42条の2)。
・優先権を主張しようとする者は、優先権主張を出願と同時に行う必要がある(特許法第54条3項)。
・特許出願が微生物関連発明に関したものである場合には、微生物の寄託証明書を願書に添付しなければならない(特許法施行令第2条)。
・核酸塩基序列又はアミノ酸序列を含んだ特許出願をしようとする者は、特許庁長官が定める方法により作成した序列目録を収録した電子ファイルを特許庁長官が定める方法により作成し、願書に添付しなければならない(特許法施行規則第21条の4)

 

▲TOPに戻る


4.出願日の認定

 特許出願日は、明細書及び必要な図面を添付した願書が特許庁長官に到達した日とする(特許法第42条の2第1項)。


5.発明の保護対象

 ・“発明”とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう(特許法第2条1号)。
 ・発明に該当しない類型(特許・実用新案審査基準第3部第1章4.1)
 (1) 自然法則自体
 (2) 単純な発見であって創作ではないもの
 (3) 自然法則に違背するもの
 (4) 自然法則を利用していないもの
 (5) 技能
 (6) 単純な情報の提示
 (7) 美的創造物
 (8) コンピュータ・プログラム言語自体、コンピュータ・プログラム自体
  コンピュータ・プログラムは、コンピュータを実行する命令に過ぎないものであり、コンピュータ・プログラム自体は発明にならない。
  ただし、コンピュータ・プログラムによる情報処理がハードウェアを利用して具体的に実現される場合には、当該プログラムと連動して動作する情報処理装置機械、その動作方法及び当該プログラムを記録したコンピュータで読み取ることができる媒体及び媒体に保存されたコンピュータ・プログラムは、自然法則を利用した技術的思想の創作であって、発明に該当する。
 (9) 反復して同一の効果を得ることができないもの
 (10) 未完成発明



6.特許対象外   
 公の秩序又は善良な風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明に対しては、特許を受けることができない(特許法第32条)。

 


7.費用
 7.1 出願料
  電子出願(オンライン):韓国語 46,000ウォン; 外国語 73,000ウォン
  書面出願:       韓国語 66,000ウォン; 外国語 93,000ウォン

 7.2 特許登録料

                 ₩:ウォン

 7.3 特許審査請求料
  
出願審査請求費用を国際的調和の観点から、2023年 8月 1日より値上げした。
   改定前:基本料143,000ウォン+請求項数×44,000ウォン
   改定後:基本料166,000ウォン+請求項数×51,000ウォン
  なお、2023年 8月 1日以降の出願における審査請求する場合に改定後の請求料が適用され、それ以前に出願した場合は、改定前の審査請求料金が適用される。

 7.4 分割出願費用加算制度
  特許分割出願制度の趣旨を超えて出願維持のために行う分割出願、審査処理遅延のための分割出願等の分割出願の乱用を防止するため、欧州特許庁に倣い分割出願における出願料を分割回数ごとに倍増させる分割出願費用加算制度を導入した。
   1回目の分割出願:新規出願費用×1の費用
   2回目の分割出願:新規出願費用×2の費用
   3回目の分割出願:新規出願費用×3の費用
   4回目の分割出願:新規出願費用×4の費用
   5回目の分割出願:新規出願費用×5の費用
   6回目以降の分割出願:新規出願費用×5の費用
  2023年 8月 1日以降の分割出願から適用される。


 7.5 年間権利面書件数について
  海外主要国に比べ、手数料100%免除対象者と免除件数を幅広く認めていたことにより不良な出願が増大し審査負担が増大していたため、法改正を行い、これを解消すべく、
  年間権利別免除件数を、2023年 8月 1日より、改定前の10件から改定後は5件までとした。

 7.6 移転登録料
  2023年 8月 1日より、特許及び商標権に伴う移転手数料(それぞれ53,000ウォン、113,000ウォン)をそれぞれ引き下げ、実用新案権移転登録料と同額にした。
  特許権、実用新案権、意匠権の移転登録料は、40,000ウォンとする。

  

8.特許出願審査の請求
  特許出願は、審査請求があったときに限りこれを審査する(特許法第59条1項)。
 何人も、特許出願日から3 年以内に特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる(同条2項)。
 出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかったときは、その特許出願は取り下げたものとみなす(同条5項)。

 


▲TOPに戻る

9.早期審査(優先審査)

 出願公開後、特許出願人でない者が業として特許出願に係る発明を実施していると認める場合、または以下の事由に該当する出願について、
 特許庁長官は審査官に他の特許出願に優先して審査をさせることができる(特許法第61条、特許法施行令第9条)。
  (1) 防衛産業分野の特許出願
  (2) 緑技術と直接関連する特許出願
   (2)の2. 人工知能または事物インターネット等4次産業革命と関連された技術を活用した特許出願
  (3) 輸出促進に直接関連した特許出願
  (4) 国家または地方自治団体の職務に関する特許出願
  (5) ベンチャー企業の確認を受けた企業の特許出願
   (5)の2. 技術革新型の中小企業として選定された企業の特許出願
   (5)の3. 職務発明補償優秀企業に選定された企業の特許出願
   (5)の4. 知職財産の経営認証を受けた中小企業の特許出願
  (6) 国家研究開発事業の結果物に関する特許出願
  (7) 条約による優先権主張の基礎となる特許出願
   (7)の2. 特許庁が「特許協力条約」による国際調査機関で国際調査を遂行した国際特許出願
  (8) 特許出願人が特許出願された発明を実施し、または実施準備中の特許出願
  (9) 特許庁長官が外国特許庁長官と優先審査することに合意した特許出願
  (10) 優先審査の申請をしようとする者が特許出願された発明に関して調査・分類専門機関中、特許庁長官が定めて告示した専門機関に先行技術の調査を依頼した場合で、その調査結果を特許庁長官に通知するように該当専門機関に要請した特許出願
  (11) 65歳以上の者、または健康に重大な異常があり、優先審査を受けなければ、特許決定または特許拒絶決定まで特許に関する手続を踏むことができないと予想される者がした特許出願
  (12) 次の各目のいずれかに該当するもので、特許庁長官が定めて告示する特許出願
    イ.医療・防疫物品と直接関連する特許出願
    ロ.認証を受けた災難安全製品と直接関連した特許出願
                                                                    

  (13) 災難による緊急した状況に対応するため、特許庁長官が優先審査の申請期間を定め、公告した対象に該当する特許出願



10.特許審査ハイウェイによる優先審査(PPH)

(1)特許審査ハイウェイ(PPH: Patent Prosecution Highway)は、各特許庁間の取り決めに基づき、第1庁(先行庁)で特許可能と判断された
    発明を有する出願について、出願人の申請により、第2庁(後続庁)において簡易な手続で早期審査が受けられるようにする枠組みである。
    日本の出願人は、先行庁である日本特許庁(JPO)からの国内成果物に基づいて韓国特許庁(KIPO)に提出された出願により早期審査を請求
    することができる。
(2)対象となる特許出願
  ① 日本の特許出願を基礎としてパリ条約による優先権を主張し、韓国に出願した場合
  ② 優先権主張なしのPCT出願において日本と韓国を指定し国内段階移行手続をした場合
  ③ 上記の出願を分割する場合
(3)要件
  ①  PPHを申請する韓国特許庁出願および対応する先行庁出願において、優先日あるいは出願日のうち、最先の日付が同一でなければならない。
  ② 当該出願に対応する先行庁出願が存在し、すでに特許可能と判断された一又は複数の請求項を有すること。
  ③ PPH に基づく早期審査を申請する韓国出願のすべての請求項が、対応する先行庁出願の特許可能と判断された一又は複数の請求項と十分に
     対応しているか、十分に対応するように補正されている。
  ④ 韓国特許庁において、「審査請求」が行われていること。



11.審査の猶予申請
  特許出願に対する審査時期を出願人が指定することができる。特許出願人が出願審査の請求をした場合であって、出願審査の請求日から24月が経過した後に特許出願についての審査を受けようとするときは、出願審査の請求日から9月以内に審査を受けようとする時期(出願日から5年以内の場合に限る(以下、「猶予希望時期」という。))を記載した審査猶予申請書を特許庁長官に提出することができる。但し、願書または審査請求書にその旨及び猶予希望時期を記載することにより、その申請書に代えることができる(特許法施行規則第40条の3第1項)。

  なお、特許出願人が審査猶予申請を取下げるか、猶予希望時期を変更しようとするときは、審査猶予申請書を提出した日から2月以内に取下書又は補正書を提出しなければならない (同条2項)。

   
                                                                    

12.出願公開制度

 出願公開は、出願日(または優先日、PCT出願日)から1年6月が経過した後に行われる。出願人が早期公開申請書を特許庁長官に提出した場合には、それ以前においても出願公開がされる(特許法第64条、特許法施行規則第44条)。
 また、早期公開の申請を取下げようとするときは、早期公開申請書を提出した日から10日以内に取下書を提出しなければならない

(特許法施行規則第44条3項)。


13.先願主義

 同一の発明について異なった日に二以上の特許出願があったときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる(特許法第36条1項)。

 一方、特許出願を放棄したとき、又は拒絶をすべき旨の審決か確定したときは、その特許出願は、初めからなかったものとみなす。ただし、同一発明に対し、同日に二以上の特許出願があった場合において、協議が成立せず、又は協議をすることができず特許出願の拒絶査定又は拒絶すべき旨の審決が確定したときは、この限りではない(同条4項)。

                                                                                     
                                                                                                        ▲TOPに戻る

14.特許要件
 (1)新規性
   特許出願前に韓国国内又は外国において公知になった、又は公然実施をされた発明、特許出願前に韓国国内又は外国において頒布された刊行物に
   掲載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に該当しないこと(特許法第29条1項)。
(2)進歩性
   特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が出願前の従来技術に基づいて容易に発明をすることができたときは、
   特許を受けることができない(同条2項)。
(3)産業上利用可能性
   産業上利用することができる発明であること(同条柱書)。
(4)産業上利用することができる発明に該当しない類型(特許・実用新案審査基準第3部第1章5.1)
  ① 人間を手術、治療又は診断する方法の発明、すなわち医療行為(注)については、産業上利用することができる発明に該当しないものとする。
    (注)「医療行為」とは、医療人又は医療人の指示を受けた者が医学的な知識をもとにして人間を手術、治療又は診断する行為をいう。
  ② 医療人による医療行為ではなくても、発明の目的、構成及び効果などに照らし合わせてみたとき、人間の病気を治療、予防又は健康状態を
    増進若しくは維持するためなどの処置方法の発明である場合は、産業上利用することができないものとみなす。
  ③ 請求項に医療行為を少なくとも一つの段階又は不可分の構成要素として含んでいる方法の発明は、産業上利用できるものとして認められない。

  ④ 人体に対して処置する方法が治療効果と非治療効果(例:美容効果)を同時に有する場合、治療効果と非治療効果を区別及び分離することが
    できない方法は、治療方法とみなされ、産業上利用することができるものとして認められない。



15.いわゆる拡大先願

 特許出願に係る発明が、その特許出願日の前に出願された特許出願であって、かつその特許出願後に出願公開又は登録公告(第87条③)された特許出願若しくは実用新案登録出願に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であるときは、その発明については、特許を受けることができない(第29条3項、4項)。
 日本と同様に、発明者又は出願人が同一である場合は、拡大先願の適用はない(同条但書)。

 


16.新規性喪失の例外

 (1)特許を受ける権利を有する者により、又は特許を受ける権利を有する者の意に反してその発明が新規性を喪失(第29項1項各号に該当)するに至った発明であって、その該当するに至った日から12月以内にその者が特許出願をした場合は、その発明についての第29項第1項各号のいずれにも該当しなかったものとみなすという、いわゆる新規性喪失の例外の適用を受けることができる(特許法第30条1項)。ただし、条約又は法律により韓国国内又は外国において出願公開され、又は登録公告された場合は除かれる(同条但書)。

(2)特許を受ける権利を有する者の意に反してその発明が新規性を喪失(第29項1項各号に該当)するに至った発明について新規性喪失の例外の適用を受けようとする者は、願書にその旨を記載して出願し、これを証明する書類を特許出願日から30日以内に特許庁長官に提出しなければならない(同条2項)。
なお、補完手数料を納付したときは同条2項の規定にかかわらず、①明細書又は図面を補正できる期間(第47条1項)、②特許査定の謄本又は特許拒絶査定取消審決(特許登録決定審決に限る)の謄本の送達を受けた日から3月以内(但し3月以内に特許査定登録が行われた場合は特許査定登録日までの期間)に、新規性喪失の例外の規定を受ける旨を記載した書面又はこれを証明する書面を提出することができる (同条3項)。

 

                                                                                                ▲TOPに戻る                                                                               
17.発明の単一性要件

 特許出願は一つの発明をもって一つの特許出願とする。ただし、一の総括的発明の概念を形成する一群の発明に該当するときは、一特許出願とすることができる(特許法第45条)。
 また、一群の発明に対して一特許出願をするためには、次の各号の要件を備えなければならない(特許法施行令第6条)。
  (1)請求された発明間に技術的相互関連性があること。
  (2)請求された発明などが同一、または相応する技術的特徴を有していること。この場合、技術的特徴は発明全体からみて先行技術に比べて改善されたものでなければならない。

 


18.記載要件

(1)発明の説明は、下記の要件を全て満たさなければならない(特許法第42条3項)。
  ① その発明が属する技術の分野において、通常の知識を有する者がその発明を容易に実施することができるよう明確かつ詳細に記載すること
  ② その発明の背景となる技術を記載すること
(2)請求の範囲には、請求項が一以上なければならず、その請求項は、次の各号の要件をすべて満たさなければならない(同条4項)。
  ① 発明の詳細な説明により裏付けられること
  ② 発明が明瞭かつ簡潔に記載されていること
(3)請求の範囲の記載方法に関して必要な事項は、下記の通りである(特許法第42条8項、特許法施行令第5条)
  ① 請求の範囲の請求項を記載するときには、独立請求項(以下“独立項”という。)を記載しなければならず、
     その独立項を限定したり付加して具体化する従属請求項(以下“従属項”という。)を記載することができる。
     この場合、必要な時にはその従属項を限定したり付加して具体化する他の従属項を記載することができる。
  ② 請求項は発明の性質によって適正な数で記載しなければならない。
  ③ 他の請求項を引用する請求項は、引用される項の番号を書かなければならない。
  ④ 2以上の項を引用する請求項は、引用される項の番号を択一的に記載しなければならない。
  ⑤ 2以上の項を引用する請求項でその請求項の引用された項は、再び2以上の項を引用する方式を使用してはならない。
    2以上の項を引用した請求項でその請求項の引用された項が再び一つの項を引用したあとその一つの項が結果的に
    2以上の項を引用する方式に対してもまた同じである。すなわち、マルチのマルチクレームは認められていない。
  ⑥ 引用される請求項は引用する請求項より先に記載しなければならない。
  ⑦ 各請求項は項ごとに行を変えて記載して、その記載する順序によってアラビア数字で一連番号を付けなければならない。

                                                                                              ▲TOPに戻る

  
19.補正

  19.1 補正ができる時期
  特許出願人は、特許査定の謄本の送達前までに、願書に添付した明細書又は図面について補正をすることができる(特許法第47条1項)。
  ただし、最初または最後の拒絶理由通知を受けた場合は該当拒絶理由通知による意見書提出期間(同条1項1号、2号)又は再審査
 (第67条の2)の請求と同時(同条1項3号)の場合に限り、補正をすることができる(同条但書)。

 19.2 補正ができる範囲
(1)明細書又は図面の補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲ですることができる。この場合、外国語特許出願
    についての補正は、最終韓国語翻訳文又は願書に最初に添付した図面(図面のうち説明部分を除く。)に記載された事項の範囲内においてもし
    なければならない(特許法第47条2項)。
(2)最後の拒絶理由通知による意見書提出期間内、又は再審査を請求する時の請求の範囲の補正は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り
    することができる(同条3項)。
 ① 請求項を限定又は削除し、若しくは請求項に付加して請求の範囲を減縮する場合
 ② 誤記を訂正する場合
 ③ 明りょうでない記載を明確にする場合
 ④ 新規事項を追加する補正に対して、その補正前の特許請求の範囲に戻すか、若しくは戻したもとのの請求の範囲を上記の①乃至③までの規定により
   補正をする場合


                                                               

20.分割出願

 20.1 時間的要件
 特許出願人は、二以上の発明を一の特許出願とした場合は、その特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲において、
 (1) 補正をすることができる期間(第47条1項)
 (2) 特許拒絶査定謄本の送達を受けた日から3月以内の期間(期間が延長された場合、その延長された期間)
 (3) 特許決定又は特許拒絶査定取消審決(特許登録を決定した審決に限り、再審審決を含む)の謄本の送達を受けた日から3月以内の期間
    (ただし、設定登録前まで)
 のいずれかに該当する期間にその一部を一以上の特許出願に分割することができる(特許法第52条1項)。

 20.2 分割出願の手続
 分割出願をしようとする者は、分割出願をするときに願書にその旨及び分割の基礎となった特許出願の表示をしなければならない(特許法第52条3項)。
 分割の基礎となった特許出願が優先権を主張した特許出願の場合には、分割出願をしたときに、その分割出願についても優先権主張をしたものとみなし、
 分割の基礎となった特許出願について、提出された書類または書面がある場合には、分割出願についても該当書類または書面が提出されたものとみなす(同条4項)。
 優先権を主張したものとみなす分割出願に関しては、1年4月(第54条第7 項又は第55条第7 項による期間)が過ぎた後であっても、分割出願をした
 日から30 日以内に、その優先権主張の全部又は一部を取り下げることができる(同条5項)。

 20.3 分割出願の効果
 分割した特許出願(分割出願)がある場合、その分割出願はもとの特許出願の時にしたものとみなされ、いわゆる出願日の遡及効が認められる。
 ただし、分割出願については、下記の各項規定の適用について出願日は遡及されず、分割出願のときに出願したものとみなされる(同条2項)。
 (1) 拡大された先願に関する規定(特許法第29条3項)
 (2) 新規性喪失の例外に関する規定(特許法第30条2項)
 (3) パリ条約による優先権主張に関する規定(特許法第54条3項)
 (4) 国内優先権に関する規定(特許法第55条2項)
    また、原出願で優先権主張が適法に行われた場合、分割出願では優先権主張手続をしなくとも、自動で優先権を適法に行ったものとみなされる
    こととなった(特許法第52条4項)。

                                              
                                                                                                 ▲TOPに戻る

 
21.分離出願

 韓国では、2021年10月19日の特許法改正により、新たに分離出願制度が新設された。
 分離出願制度は、特許拒絶査定不服審判においてその請求が棄却された場合、その審決の謄本送達日から30日以内(審判長が付加期間を定めた場合(第186条5項)はその期間内)に審判請求の対象となる特許拒絶の決定において拒絶がされていない請求項を分離し、新しい特許出願とすることができる制度である(特許法第52条の2)。
(1)分離出願の対象請求項
   ① 特許拒絶決定において拒絶されなかった請求項
   ② 拒絶された請求項で、拒絶査定の基礎となったマーカッシュ形式等の択一的記載事項を削除した請求項
   ③ ①乃至②において、次の各号のいずれかに該当するように記載した請求項
    1)請求項を限定又は削除し、若しくは請求項に付加して請求の範囲を減縮する場合
    2)誤記を訂正する場合
    3)明りょうでない記載を明確にする場合
   ④ ①乃至③のいずれかにおいて、その特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された事項の範囲を超えた部分を削除した請求項
(2)分離出願の効果(同条の2第2項)
   分離した特許出願(分離出願)がある場合、その分離出願はもとの特許出願の時にしたものとみなされ、いわゆる出願日の遡及効が認められる。
   ただし、分離出願については、下記の各項規定の適用については、出願日は遡及されず、分離出願の時に出願したものとみなされる。
   ① 拡大された先願に関する規定(特許法第29条3項)
   ② 新規性喪失の例外に関する規定(特許法第30条2項)
   ③ パリ条約による優先権主張に関する規定(特許法第54条3項)
   ④ 国内優先権に関する規定(特許法第55条2項)
  また、原出願で優先権主張が適法に行われた場合、分離出願では優先権主張手続をしなくとも、自動で優先権を適法に行ったものとみなされることとなった
  (特許法第52条4項)。
(3)分離出願の制限
   分離出願は、願書に最初に添付した明細書に請求の範囲を記載せず、また明細書及び図面(図面のうち説明部分に限る。)を
   韓国語以外の言語で書くことはできない(同条3項)。
   この分離出願は新たな分離出願、分割出願または実用新案法における変更出願の基礎とすることができない(同条4項)。
 

                                                                                              ▲TOPに戻る


22.条約優先権主張

 韓国は1980年5月4日付でパリ条約に加入しており、条約同盟国で先出願された内容に基づき優先権主張を伴って特許出願できる。
優先権を主張しようとする者は、優先権主張の基礎となった最初の出願日から1年以内に特許出願し、特許出願と同時に願書にその旨、最初に出願した国名、及び出願の年月日 (特許法第54条2項、3項)、併せて、その出願番号を明示しなければならない(パリ条約4条D(5))。
 原則的に優先日から1年4月以内に優先権証明書を提出する必要があるが(特許法第54条5項)、日本国出願に基づく優先権を主張する場合、優先権証明書及び優先権証明書の翻訳文の提出は不要であり、願書に日本の出願番号、出願日等を記載すれば十分である。
 ただし、審査・特許取消し申請又は審判のために必要な場合には、特許庁長官または特許審判院長は、優先権主張をした者に対して期間を定めて優先権証明書類に対する韓国語翻訳文を提出することを命じることができる(特許法施行規則第25条3項)。




23.特許権の存続期間と起算日

 特許権の存続期間は、特許権の設定登録があった日から特許出願日後20年をもって終了する(特許法第88条1項)。
他の法令に定める許可や登録等のために特許が実施できない期間がある場合には、その実施することができなかった期間について5年を限度として、その特許権の存続期間を一回に限り延長することができる(特許法第89条1項)。
 特許出願日から4年又は出願審査請求日から3年のうち、遅い日からさらに遅延し、特許権の設定登録がされた場合には、その遅延された期間だけ、当該特許権の存続期間が延長することができる(特許法第92条の2第1項)。ただし、出願人の責めに帰する事由により遅延された場合を除く(特許法第92条の2第2項、3項、特許法施行令第7 条の2)。

                                                                                                 ▲TOPに戻る

24.再審査請求
 2009年7月1日施行の改正特許法により、「前置審査制度」が廃止され、その代わりに「再審査制度」が導入された。
 従来、拒絶査定を受けた場合、審査官による再度の審査を受けるためには、必ず拒絶査定不服審判請求し補正を行うよう審査前置制度があったが、改正以降の出願は、拒絶査定不服審判を請求せず、特許拒絶決定謄本の送達を受けた日から3月以内、または特許決定の謄本の送達を受けた日から設定登録を受ける前までの期間内に、明細書または図面を補正する補正書と再審査を請求する旨を記載した書類を提出すれば再審査を受けることができる(特許法第67条の2第1項)。
 ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、再審査を請求することができない(同条但書)。
  (1)再審査を請求するときに、既に再審査による特許可否の決定がある場合
  (2)特許拒絶査定等に対する審判の審判請求がある場合(特許法第176条第1項により特許拒絶決定が取消された場合は除く。)
  (3)その特許出願が分離出願である場合
 すなわち、改正以降の特許出願の場合、1回目の拒絶決定に対して再審査請求をすることができ、請求と同時にのみ請求の範囲等の補正をすることができる。
 2回目の拒絶決定に対しては、再審査請求をすることができず、拒絶決定不服審判を請求することができる。その時には、請求の範囲等の補正を行うことができない。




25.拒絶不服決定不服審判

 特許拒絶査定又は特許権の存続期間の延長登録の拒絶査定を受けた者が該査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から3月以内に審判を請求することができる(特許法第132条の17)。
 拒絶査定不服審判請求の際には、明細書および図面等の補正をすることができないが、その期間内に分割出願をすることができる(特許法第52条1項2号)。

                                                                                                                                                                                          
                                                                                                                                                                                                   ▲TOPに戻る

26.異議申立制度
 異議申立制度はない。
 しかし、情報提供制度があるので、特許出願に関し何人もその特許出願が拒絶理由に該当して特許されることができないという旨の情報を、証拠とともに特許庁長官に提供することができる(特許法第63条の2)。
 ただし、第42条第3項第2号(背景技術に関する記載義務)、同条第8項(請求の範囲の記載方法)及び第45条(単一性)による要件を備えていない場合には、この限りでない(同条但書)。

 
                                                                                                                                                                                                 ▲TOPに戻る

27.特許取消申請
(1)申請要件
   何人も、特許権の設定登録日から登録公告日後6月になる日まで、その特許が特許取消事由に該当する場合には、特許審判院長に特許取消申請をすることができる。
この場合において、請求の範囲の請求項が二以上ある場合には、請求項ごとに特許取消申請をすることができる (特許法第132条の2第1項)。
  特許取消事由は産業上の利用可能性(特許法第29条1項本文)、新規性(特許法第29条第1項第2号のみ該当)、進歩性(特許法第29条第2項)、拡大された先願(特許法第29条第3項および第4項)、先出願(特許法第36条第1項から第3項)に違反している場合のみである。
  ここで、特許取消事由の新規性と進歩性の違反については、特許出願前に国内外で刊行物に掲載されたり電気通信回線を通じて公開された資料による、新規性または進歩性に違反している場合に限定される。すなわち、特許出願前に国内外で公知にされたり、公然に実施された発明(特許法第29条1項1号)による新規性の喪失または進歩性の欠如になる場合には特許取消事由から除外される。
  また、出願の審査過程で既に拒絶理由として引用された先行技術に基づく理由によっては、特許取消申請をすることができない
  (特許法第132条の2第2項)。

(2)特許の訂正
  特許取消申請手続きが進行中である特許に関する特許権者は、
  (1) 特許請求の範囲を減縮する場合
  (2) 誤記の訂正をする場合
  (3) 明りょうでない記載を明確にする場合
  のいずれかに該当する場合にのみ、意見書の提出期間内に、特許発明の明細書又は図面について訂正の請求をすることができる
  (特許法第132条の3第1項)。
 ・特許取消決定が確定されたときには、その特許権は、初めからなかったものとみなす(特許法第132条の13第3項)。

 

 


                                                                                                 ▲TOPに戻る

28.無効審判
 利害関係人または審査官は、設定登録された特許権が無効事由に該当する場合には、無効審判を請求することができる。
 この場合、請求の範囲の請求項が複数である場合には、請求項ごとに請求することができる(特許法第133条1項本文)。
(1)無効事由 (特許法第133条1項1~8号)。
  ① 外国人として特許権を享有することができない者に対し特許が付与された場合(特許法第25条)
  ② 産業上の利用可能性、新規性、進歩性または拡大された先願の規定に違反した場合(特許法第29条)
  ③ 公の秩序、善良な風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明に特許が付与された場合(特許法第32条)
  ④ 先願に関する規定に違反した場合(特許法第36条1項、2項、3項)
  ⑤ 発明の詳細な説明または請求の範囲の記載方式に違反した場合(特許法第42条3項1号、同条4項)
  ⑥ 無権利者(特許法第33条1項本文)、または無権利者ではないが特許を受けることができない者(特許法第33条1項但書)に特許が付与された場合
  ⑦ 特許を受ける権利が共有に係るもので、共有者全員が共同で特許出願をしなかったものにもかかわらず特許が付与された場合(特許法第44条)
  ⑧ 特許がされた後、その特許権者が外国人として特許権を享有することができない者になったり、その特許が条約に違反した場合
  ⑨ 条約に違反して特許を受けることができない場合
  ⑩ 補正が新規事項追加の禁止規定に違反した場合(特許法第47条2項)
  ⑪ 原出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された事項の範囲から外れた分割出願または分離出願である場合
     (特許法第52条1項、第52条の2第1項本文)
  ⑫ 原実用新案登録出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されていなかった事項を特許出願に変更した場合(特許法第53条1項)

(2)効果
  特許を無効にすべき旨の審決が確定したときには、その特許権は初めからなかったものとみなす(特許法第133条3項本文)。
  ただし、後発的無効理由の場合には、特許権はその後発的無効理由に該当するに至った時から存在しなかったものとみなす(同条但書)。


                                                                                                 ▲TOPに戻る


29.訂正審判

(1)訂正の要件
 特許権者は、
  (1) 特許請求の範囲を減縮する場合
  (2) 誤記の訂正をする場合
  (3) 明りょうでない記載を明確にする場合
 のいずれかに該当する場合には、特許発明の明細書又は図面について訂正審判を請求することができる(特許法第136条1項)。
 ただし、特許取消申請、特許無効審判または訂正の無効審判が特許審判院に係属中である期間は、訂正審判を請求することができない
 (同条2項)。

(2)訂正の範囲
  (1) 特許発明の明細書又は図面に記載された事項の範囲内であること(誤った記載の訂正する場合には、出願書に最初に添付された
     明細書又は図面に記載された事項の範囲内ですること)
  (2) 請求の範囲を実質的に拡張したり変更するものでないこと
  (3) 訂正後の請求の範囲に記載されている事項が特許出願をした時に特許を受けることができるものであること
     でなければならない(同条3項、4項、5項)

(3)効果
  ・ 特許発明の明細書又は図面に対して訂正をするという審決が確定したときは、その訂正後における明細書又は図面により特許出願、
    出願 公開、特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定登録がされたものとみなす(同条10項)。
  ・ 利害関係人又は審査官は、特許発明の明細書または図面についての訂正(特許取消申請手続きにおける訂正、特許無効審判手続
    における訂正、訂正審判による訂正)が不適法な場合には、その訂正の無効審判を請求することができる(特許法第137条1項)




30.審決取消訴訟

 特許取消決定又は審決に対する訴え及び特許取消申請書・審判請求書又は再審請求書の却下の決定に対する訴えは、特許法院(高等法院級に該当する)の専属管轄とする(特許法第186条1項)。
 その訴えは、当事者、参加人または該当特許取消申請の審理、審判または再審に参加申請をしたがその申請が拒否された者が提起することができる(同条2項)。
 提起期間は、審決又は決定の謄本の送達を受けた日から30 日以内である(同条3項)。
 判決は弁論が終結された日から2週以内に宣告される。しかし、特別な事情がある場合には4週以内に出される(民事訴訟法第207条1項)。判決は当事者が出席しなくても宣告することができる(同条2項)。
 特許法院は、訴えが提起された場合にその請求が理由あると認めるときには、判決をもって該当審決又は決定を取消さなければならない(特許法第189条1項)。そのとき審判官は、その審決又は決定の取消し判決が確定したときは、さらに審理を行い審決又は決定をしなければならない(同条2項)。
 特許法院の判決に不服がある場合には、大法院に上告することができる(特許法第186条8項)。



31.加盟している条約
 パリ条約、PCT、WTO協定