2024年11月 1日
弁理士法人 浅村特許事務所
台湾 特許再審査制度(AEPRe)の試行を開始
台湾は、審査効率を向上させることにより迅速な審査及び特許権の付与を目的として、新たに特許再審査制度(AEPRe:Accelerated Examination Program for Reexamination)を設けました。
この特許再審査制度は、2024年 9月 1日~2025年 8月31日までの1年間試行がされ、当該制度の継続及び改良が検討される予定です。
台湾では、初審段階の実体審査において、初回の拒絶通知があった場合、再審査を行うことができますが、一定条件下でこの再審査段階の迅速化が図られることになります。
なお、今回の再審査制度は、特許出願審査にのみ導入がされ、意匠出願審査への導入はされていません。
1.特許再審査制度(AEPRe)の概要
出願人が初回の審査(初審査)で拒絶査定が通知された請求項を再審査の段階で自発的に削除し、拒絶されていない他の請求項を独立クレームに書きかえる補正を行った場合に、審査官が初審査の内容を基に迅速な再審査を行う制度。
2.特許再審査制度(AEPRe)の内容
(1)対象ケース
初審査で一部の請求項のみが拒絶された特許出願
(2)申請の流れ
①出願人による再審査請求及び補正書の提出
②知的財産局より出願人に手続審査通知(「再審査間近通知書」)が交付
③出願人は、「再審査間近通知書」の交付日から「第一次再審査に関する意見通知書」発行日までの期間内にAEPRe申請書を提出
④ AEPRe申請書には、出願番号及び補正によりAPEReの要件を満たす旨の声明を記載
(AEPRe申請書の提出手数料は不要、オンライン申請が可能)
(3)補正内容
補正は特許法第49条の規定に基づいて行わなければならず、補正の内容は全て以下の事項に適合しなければならない。
①拒絶理由の対象となった請求項の削除
②初審査で拒絶理由がない請求項を独立請求項に書きかえる変更、及び、独立請求項への変更に伴う、請求項番号の調整、従属関係の調整、請求項の追加
(4)審査
適用条件を満たす場合、知的財産局は、AEPRe申請日から6ヶ月以内に審査意見(拒絶理由通知書若しくは特許査定書)を発する。
適用条件を満たさない場合、通常の審査を行う。
台湾の特許制度概要については、台湾特許制度をご覧ください。