住所:東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエストタワー17F
TEL:03-6840-1536(代表)

韓国 特許法改正案が国会を通過

2021年10月 8日
浅村特許事務所


韓国 特許法改正案が国会を通過


 

 

 2021年 9月29日、韓国の特許法改正案が韓国国会本会議を通過しました。



本改正法案は、2021年10月19日に公布されました。
公布日から6カ月が経過した日である、2022年 4月20日に施行されます。

 

本改正法案の主な内容は以下の通りです。

(1)   拒絶決定などに対する審判請求(再審査請求)期間の延長および対象拡大(特許法第67条の21項の改正)

 期間延長をせずとも出願人に十分な準備期間を提供し、費用をかけてまで期間延長が行われている現状を改善するため、拒絶査定などに対する審判請求(再審査請求)の期間が30日から3カ月になりました。また、特許査定後にも補正ができるようにするため、特許査定された件についても、再審査の請求が可能となりました。

 

(2)   分離出願制度の導入(特許法第52条の2の新設)

 拒絶決定不服審判の棄却審決(拒絶査定維持)の後、拒絶されていない請求項のみを分離して出願することが可能となりました。

 

(3)   分割出願の優先権主張の自動認定(特許法第52条第4項の新設)

原出願で優先権主張が適法に行われた場合、分割出願では優先権主張手続をしなくとも、自動で、優先権を適法に行ったものとみなされることとなりました。

 

(4)   出願人の権利回復要件の緩和

 方式違反による手続無効(特許法第16条)、審査請求および再審査請求期間の徒過(第67条の3)、特許料(登録料)未納(第81条の3)、の回復要件が、現行法の「責めに帰することができない事由」から「正当な事由」注)に緩和されました。

)「正当な事由」として、持病による入院、特許顧客相談センターの誤案内、自動振込のエラー、があります。

 

(5)   権利移転による共有者の通常実施権の保護(特許法第122条の改正)

共有の特許権の持ち分が競売等により分割請求されて、他人に移転する場合、特許の持ち分を失った共有者に通常実施権を付与して、継続中の事業を保護することとしました。

 

(6)   国内優先権主張の対象拡大(特許法第55条第1項第4号の改正)

 現行法では、先出願が登録決定されると、優先権主張の基礎にすることができませんが、改正により登録決定後でも設定登録前であれば、改良・追加した発明を優先権主張して出願することが可能になりました。