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ベネズエラ  医薬特許の付与が復活

2021年 8月12日
浅村特許事務所


ベネズエラ 医薬特許の付与が復活


 ベネズエラは、2006年4月にアンデス共同体(CAN)からの脱退を表明し、知的所有権庁(Servicio Autonomo de la Propiedad Intelectual:SAPI)が2008年9月17日に通達を出して以降、古い国内法である工業所有権法(1956年制定)が知的所有権の根拠法となっており、食品・飲料、医薬品の特許は保護されませんでした。

 しかし、この状況は2021年5月14日付けの公報第608号により大きく変わりました。この公報で2つの医薬特許が付与されたのです。ただし、このとき付与された医薬特許の存続期間は、付与日(the date of granting)から10年でしたが、ベネズエラにおいて医薬特許の付与が復活するという大きな転機となりました。

 知的所有権庁(SAPI)は特許部門の新しいディレクターとしてDr. Francisco Astudilloを任命しました。 Dr. Astudilloは、世界知的所有権機関(WIPO)の特許常任委員会の副会長にも任命されている人物であり、SAPIが、知的財産に有利な国際条約を直ちに直接適用する決定を確認する公式通知を出しました。

 これにより、ベネズエラでは、2021年7月2日発行の公報第609号に掲載されたものから、発明特許の存続期間を付与日から20年とすることになりました。この決定はTRIPSの33条に基づいています。