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フランス 知財関連の法改正(PACTE法)

浅村特許事務所 知財情報 
 2019年11月21日


フランス 知財関連の法改正(PACTE法)


フランスにおいて、「企業の成長とビジネス変革のための行動計画」(Le Plan d’Action pour la Croissance et la Transformation des Entreprises)として複数の法域で横断的に法改正がありました。PACTE法(La loi PACTE)と呼ばれます。特許法の主な改正点をご報告します。

1.新規性だけの審査から、進歩性、特許可能な主題、産業上利用可能性の審査も行うことになります。審査基準は、EPOでの審査と同じとのことです。

2.審査手続は、EPOと基本的に同じ流れです。

3.フランス出願の言語はいかなる言語でもよいとのことです。例えば日本語で出願した場合、方式指令が出され、フランス語による翻訳が要求されます。2か月以内に翻訳文を提出すればよいとのことです。

4.フランス出願をパリ優先権を主張せずに行うと、審査がEPOに移管され、迅速にサーチレポートが発行されるそうです。PCT出願の国内移行時にフランスを選ぶか否かの判断に利用することなどができるとのことです。これは2020年5月22日以降の出願に適用される予定です。

5.異議申立制度の導入。現在、フランスでの特許の有効性の判断は、無効訴訟として裁判所での手続となっていますが、今後、異議申立制度が併設されることになり、より低いコストで有効性の判断が可能になることが期待されます。なお、異議申立の手続は、日本の異議申立と無効審判を合体したような流れです。在外者のための手続きの延長は無いそうです。2020年3月1日から施行されます。

6.実用新案登録(フランスでは対象の制限は無い)の存続期間が6年から10年に延長されます。2020年2月1日以降に出願した実用新案登録出願の出願日から18ヶ月以内であれば特許出願に変更可能です。

7.仮出願制度の導入。明細書のみでクレームなしでも出願が可能であり、米国の制度と同様の制度のようです。2020年7月1日施行。

8.特許権の権利行使の時効について、起算点の明確化。侵害行為を知った日又は知り得るべき日から5年となります。一方、無効訴訟の時効は廃止となります。


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