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韓国 デザイン保護法の一部改正法が施行

 2023年12月25日
浅村特許事務所 知財情報


韓国 デザイン保護法の一部改正法が施行


 




2023年12月 21日付で、デザイン保護法の一部改正法が施行されました。

主な変更点をご紹介します。

1.関連デザインを出願することができる期間の拡張(1年から3年)(第35条)
 従来、自分の登録デザイン又はデザイン登録出願したデザイン(以下、「基本デザイン」という)の出願日から1年以内に限定されていた関連デザイン登録出願の期間ですが、基本デザインの登録出願日から3年以内に拡張されました(第35条①)。
 ただし、当該関連デザインのデザイン権を設定登録する時に基本デザインのデザイン権が設定登録されていないか、基本デザインのデザイン権が取り消し、放棄又は無効審決等により消滅している場合は、関連デザインでデザイン登録をすることはできません。
 
 なおこの規定は、この法律の施行後に関連デザインとして出願したデザイン登録出願から適用する一方、この法律の施行当時に従前の規定により関連デザインとしてデザイン登録が受けられる期間が既に経過した場合は、同じ改正規定にもかかわらず、従前の規定に従います。
 したがって、改正規定は、2022年12月21日以降の基本デザイン登録出願に適用されます。
 企業のデザイン経営を支援し、競争力のあるデザインの保護を強化することを目的とした改正となります


2.新規性喪失の例外主張の拡大(第36条第2項削除)
 新規性喪失の例外に対する主張及び書類提出の時期を規定している手続的条項が削除されました。
 従来法では、新規性喪失の例外の主張期限が限定されていましたが、この度の改正により、期限の限定無しにいつでも主張できるようになりました。
 この規定は、この法律の施行後(2023年12月21日以降)に出願したデザイン登録出願から適用されます。

3.共同デザイン登録出願人の拡張(第39条)
 デザイン登録を受けることができる権利が共有の場合には、共有権者皆が共同でデザイン登録出願をしなければならない。
 共同創作者ではないが、デザイン登録を受ける権利を共有することになった承継人も、共同でデザイン登録出願ができるようになりました。

4.デザイン出願の優先権を主張又は追加するための手続的制限の解消
主要国のデザイン登録出願の優先権主張要件と一致させ、デザイン権者への権利保護を強化するものです。

① 優先権主張の補正及び追加(第51条の2 新設)
優先権を主張した者は、デザイン登録出願日から3か月以内に当該優先権主張を補正したり追加することができる。

② 正当な理由による期間徒過への救済(第51条⑤ 新設)
優先権を主張した者が正当な理由により期間内に書類又は書面を提出できない場合、その提出期間の満了の日から2か月以内にその書類又は書面を特許庁長官に提出することができる。

③ 優先権主張期間の延長(第51条の3 新設)
優先権を主張しようとする者が「正当な事由」*により優先権主張期間内に優先権を主張できない場合、その期間の満了から2か月以内にデザイン登録出願したときは、そのデザイン登録出願について優先権を主張することができる。


*正当な事由: 持病などで病院に入院する等の業務が不可能な状況などを理由とする期間経過、システム障害による期間経過など

この規定は、この法律の施行後(2023年12月21日以降)に出願したデザイン登録出願から適用されます。

5.職権補正無効みなし規定の導入(第66条⑥ 新設)  
 職権補正の範囲を超えるか、明らかに間違っていない事項を職権補正した場合、その職権補正は最初からからなかったものとみなす規定が新設されました。    
 この規定は、この法律の施行後(2023年12月21日以降)に審査官がした職権補正から適用されます。