2021年 5月18日
浅村特許事務所 知財情報
ブラジル 最高裁判決にて存続期間が出願日から20年に統一される
従来は、ブラジル特許は登録から10年は存続期間が確保され、もし登録の時点で出願日から20年の権利満了日まで10年を切っている場合は、満了日が登録日から10年後になる、つまりいずれか長い方の存続期間になるというものでしたが、今回ブラジル最高裁は、登録日から10年確保される存続期間は違憲であり、存続期間は一律出願日から20年とするとの判断を下しました。
今回の判断の効果は原則として登録済みの特許には適用されませんが、以下の例外については、登録済みの特許であっても、存続期間は一律出願日から20年(登録日から10年との規定により伸びている分は短縮)となります。
・医薬及び医療に関する特許
・2021年4月7日までに提訴された無効訴訟の対象となった特許
後者については、すでに争いの対象となっていることから権利期間の短縮に気付かないことは考えにくいですが、前者については特段の手続き無く存続期間が短縮されている可能性がありますので、注意が必要です。最高裁は同時に、存続期間が短縮された場合でも、その時点で存在していた既存の権利(既に受領したライセンス料等)は影響を受けない旨も判示しており、具体的な影響については個別に確認する必要があると思われます。
なお、今後新しい情報が入りましたら、改めてご紹介いたします。