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中国において、医薬品の臨床試験データ保護に関する実施規定案の公表

浅村特許事務所 知財情報
第273-2号(2018年5月発行)


中国において、医薬品の臨床試験データ保護に関する実施規定案の公表



現在中国では、医薬品のイノベーションに必要とされる知的財産の保護という観点から、医薬品登録に関連する法律等の整備の検討が行われていますが、2018年4月、CFDA (中国国家食品薬品監督管理局)は医薬品の臨床試験データの保護に関する実施規定案を公開しました 。1

この実施規定案では、保護の対象となるデータ、保護期間、保護内容、データ保護の申請等の手続について定められておりますので、その概要を以下にお知らせいたします。

保護対象となるデータ

保護対象となるデータは、医薬品の販売承認申請に含まれる医薬品の効能に関連するデータであり、臨床試験データのみならず非臨床試験データも含まれる。

ただし、医薬品の安全性に関連するデータは対象外である。

保護対象となるデータは、以下の条件を満たす必要がある。
― 医薬品の販売承認に必要とされるデータであること。
― 医薬品の販売承認申請以前に、公にされていないデータであること。
― 申請者が他の臨床試験データや公開された調査結果から得たデータでないこと。


データ保護期間とその保護内容

(1)データ保護期間
医薬の種類に応じて以下の通りに規定されている。

医薬の種類 保護期間
革新的医薬品 6年
希少疾病用/小児用医薬品 6年
革新的治療用生物品 12年


1 2018年5月31日までパブリックコメントを募集している。

2 中国及び海外で市場に出回っていない医薬品。

ただし、革新的医薬品と革新的治療用生物品のデータ保護期間については、臨床試験データを得た場所や、承認申請を行う国および時期によって、以下のようにさらに細かく規定されている。

臨床試験データを得た場所 承認申請を行う国および時期について データ保護期間
中国 中国のみか、あるいは中国および諸外国/地域で同時に
申請する場合
革新的医薬品は、申請日より6年、
革新的治療用生物品は12年。
諸外国/地域での申請後に、中国で申請する場合 ケースに応じて申請日より1年から5年。
新薬申請が6年目以上遅れると保護期間はない。)
海外 上記の記述と同じ 中国人患者の臨床試験データが含まれていなければ、上記したそれぞれのデータ保護期間の1/4年。
中国人患者の補足臨床試験データが含まれていれば、上記したそれぞれのデータ保護期間の1/2年。

 

(2)保護内容
データ保護期間中、CFDAは、データ保護権所有者の承諾無しで、他の申請者による同種の販売申請を承認しない。ただし、提出されたデータが申請者自身により収集されたものである場合、またはデータ保護権所有者の承認がある場合には、この限りでない。

データ保護に関する手続き

(1)申請及び審査
・データ保護の申請は、新薬承認申請とともに行い、適用されるべき保護期間とその理由を特定する。申請受理後、30日間、公に意見を求め、その後、新薬申請の審査と伴に、データ保護申請の審査が行なわれる。

(2)権利の付与と公開
・新薬申請の承認が公開されると、データ保護の権利が発生する。データ保護の情報は、新薬申請の承認と同時に公開される。
・データ保護の情報には、承認の理由およびデータ保護期間が含まれる。関連する全ての情報が「Catalog of Drugs on Market」に収められ、公開される。データ保護の期間が満了すると、関連情報は「Catalog of Drugs on Market」から削除される。

(3)規制当局による非開示
 下記理由以外は、規制当局によるデータの開示は行わない。
 ― 公共の利益のため。
 ― 商業目的のためにデータが不正に使われていないことを確認する措置。
 ― 関連する法律に従って、レビューする情報の開示。

(4)データ保護期間中に、他の申請者による、同種医薬品の販売承認申請を承認する手続き
・販売承認申請を行う申請者は、そのデータが自分自身で得たものである、あるいはデータ保護権所有者から承認を得ていることを記載した宣誓書を提出しなければならない。
・CFDAは、販売承認申請の受理後30日以内に、データ保護権所有者に通知し、30日間、異議申し立てを受け付ける。異議申し立てがあったときには、CFDAは90日以内にデータの信憑性を確認し、関連する規則に従って決定を下し、データ保護権所有者にその結果を通知する。
・救済策:もし決定に不服がある場合には、販売承認申請者およびデータ保護権所有者は、CFDAに対し、行政再議の請求をするか、または裁判所に訴訟を起こすことができる。

(5)権利の乱用防止
・データ保護権所有者は、その権利が認められた日より、そのデータを開示するものとする。
・もしデータ保護権所有者自身の都合により、データ保護の承認日から1年たっても市場にその医薬品が出ない場合には、利害関係者からの請求に基づき、許可されたデータ保護は取り消される。


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