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欧州において、BrexitによるEU商標への影響

浅村特許事務所 知財情報
第271-1号(2018年3月発行)


欧州において、BrexitによるEU商標への影響


 

英国のEU離脱(Brexit)について、欧州委員会による離脱協定のドラフトが公表されました。この離脱協定のドラフトには、知的財産に関する規定案も含まれています。
 なお、本稿でご紹介する離脱協定の内容は2018年2月28日付で公表されたドラフトに基づくものです。今後、内容が変更される可能性がある点には充分にご留意下さい。

 離脱協定のドラフトにおける、欧州共同体意匠及び欧州連合商標に関する規定の概要は以下の通りです。

1. 移行期間 の満了前に登録された欧州共同体意匠及び欧州連合商標
●州共同体意匠及び欧州連合商標の権利者であった者は、移行期間満了後は、対応する英国の知的財産権の権利者となる。
●別な申請や費用は必要なく、再審査もない。
●出願日や優先日(商標は、英国商標に基づくseniority主張があればその基準日も)は、英国でもそのまま認められる。
●更新期限は、元の欧州共同体意匠・欧州連合商標の更新期限と同じである。
●れらの取り扱いは、マドプロ国際登録・ハーグ協定国際登録において欧州を指定したものについても同じである。
●商標登録は、移行期間の満了前の英国における不使用を理由としては取り消されない。
●匠登録の保護期間は、少なくとも元の共同体意匠の保護の残存期間と同じである。

2. 移行期間の満了時点で出願中の欧州連合商標
●出願人は、その出願に基づき、移行期間満了から6ヶ月の、英国出願のための特別の優先権を有する。
●の特別の優先権の基礎とすることができるのは、出願日が付与された欧州連合商標である。
●この特別の優先権を主張して英国に出願した場合は、先後願関係の確立に際し、元の欧州連合商標の優先日が英国の出願日とみなされる。

3. 未登録意匠の保護
●登録意匠は、少なくとも欧州共同体における保護の残存期間(域内公知から3年間の残りの期間)においては、英国でも同様に保護される。


 Brexitに伴う欧州共同体意匠及び欧州連合商標の取扱いについて、ようやく具体的な規定案が公表されました。ただし、今後の交渉の帰趨によっては内容が大幅に変更される可能性も残っています。情勢は未だ不透明ですので、英国商標権は更新しておく等の慎重な対応をお薦めします。



1)今回の離脱協定のドラフトでは、移行期間は2020年12月31日までと定められています(今後変更される可能性あり)。

 


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