浅村特許事務所 知財情報
2015年 1月20日
アメリカ TTAB審決
[アメリカ、TTAB審決] 商標法第66条(a)の保護拡張請求出願(マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願において米国を指定国とする出願)に基づく登録を取消すためには、取消請求(反訴)において、取消請求日の時点で、(a) 登録証の発行日以降に継続して3年以上不使用であること、又は(b) 登録日以降取消請求日までの不使用期間が3年間に満たない場合は、登録日以降の不使用及び使用再開の意思のないことを裏付ける事実、を主張することが要件となると判示された。 |
事件の概要
異議申立人が所有する商標法第66条(a)の保護拡張請求出願に基づく登録に対して、出願人より登録取消の反訴が提起された。
これに対して、異議申立人は連邦民事訴訟規則12(b)(6)に基づいて、当該取消請求の却下申立てを行い、その申立てが認められた。
反訴自体は3件あり、全て異議申立人の登録の取消を請求するものである。それらの理由は、異議申立人の審査の過程における使用意思についてのフロード、善意の使用がない、及び不使用による放棄(擬制)である。
注目されるのは、不使用による放棄(擬制)を理由とする取消請求に際して求められる主張要件(不使用期間の起算時点)について、初めての判断が下されたことである。
当事者 |
異議申立人- 反訴被告(反訴却下申立人) |
Dragon Bleu (SARL) |
出願人- 反訴原告 |
VENM, LLC |
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事件番号 |
異議第91212231号 |
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審決日 |
2014年12月1日 |
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関連条文及びキーワード |
商標法第66条(a) 規則12(b)(6) 使用意思 フロード 善意の使用 放棄 |
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異議の対象商標 |
出願番号第85848528号 |
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反訴の対象商標 |
登録番号第3896673号、第3927787号、及び第4017907号 |
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審理対象 |
出願人(反訴原告)による反訴(3件)を却下することを求める異議申立人(反訴被告)の申立て |
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結論 |
反訴却下の申立ては認められた。 |
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理由 |
(1) フロードを理由とする反訴却下の理由 審査の過程で限定した商品について実際には使用していなくても、当該限定された表示は、実際の使用を表示するものではなく、拒絶理由(第2条(d))を克服するための単純な陳述であり、審査官による公告決定の際に、使用の予定は無関係である、と判示して、フロードの主張は認められなかった。 (2) 善意の使用をしていないことを理由とする反訴却下の理由 対象の登録は、保護拡張請求(第66条(a))に基づくものであるため、使用は要求されていないと判示して、善意の使用がないとの主張は認められなかった。 (3) 放棄を理由とする反訴却下の理由 保護拡張請求出願に基づく登録は、登録前は取引における使用を要求されない(第44条(e))が、登録後は主登録簿に係る登録と同様に扱われるので、放棄擬制を回避するためには使用が要求される。 不使用による放棄を理由として、当該登録の取消を請求する場合、取消請求日の時点で、下記の(a)又は(b)を主張することが必要であると判示された。 (a) 登録証の発行日以降に継続して3年以上不使用であること (b) 登録日以降取消請求日までの不使用期間が3年間に満たない場合は、登録日以降の不使用及び使用再開の意思のないことを裏付ける事実
問題の2つ登録の登録日はそれぞれ2010年12月28日及び2011年3月8日であり、(補正した)取消請求がなされたのは2013年12月13日であり、いずれも3年間に満たなかった。 反訴原告は、(b)の場合について、使用を開始する意思がないと審判部が結論付けるに足る事実を主張できなかったので、不使用による放棄の証拠が示されていないと認定され、放棄の主張は認められなかった。 |
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現状 |
反訴原告には更なる補正期間が与えられ、実際に、2014年12月29日に提出された。 |
§ 44 (15 U.S.C. § 1126). International conventions; register of marks (e) A mark duly registered in the country of origin of the foreign applicant may be registered on the principal register if eligible, otherwise on the supplemental register herein provided. Such applicant shall submit, within such time period as may be prescribed by the Director, a true copy, a photocopy, a certification, or a certified copy of the registration in the country of origin of the applicant. The application must state the applicant’s bona fide intention to use the mark in commerce, but use in commerce shall not be required prior to registration.
Sec. 66 (15 U.S.C. § 1141f). Effect of filing a request for extension of protection of an international registration to the United States (a) Requirement for Request for Extension of Protection.—A request for extension of protection of an international registration to the United States that the International Bureau transmits to the United States Patent and Trademark Office shall be deemed to be properly filed in the United States if such request, when received by the International Bureau, has attached to it a declaration of bona fide intention to use the mark in commerce that is verified by the applicant for, or holder of, the international registration. |
TTAB
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