2026年 1月15日
浅村特許事務所 知財情報
ザンビア ザンビア商標法施行(2025年12月31日)
ザンビア商標法(2023年法律第11号)(新法)は、2025年12月31日に施行されました。
新法は従来施行されてきたザンビア法典第401章「商標法」(1958年法)(旧法)を廃止し、商標の保護と管理のための現代的かつ効率的で国際基準に準拠した制度として導入されたものです。
詳細な施行規則は今後整備されますが、現状、商標登録局は旧規則に基づき業務を継続し、手数料は変更されないとのことです。
施行された2023年商標法では、主に以下の措置においてザンビア共和国の商標法制度が強化されました。
・著名商標の認定を含む商標の保護強化
・サービスマークを保護対象に
・地理的表示制度導入による付加価値向上
・マドリッド議定書の準拠による商標の国際登録の実現 ・権利関係の強化(模倣品・侵害対策のための国境措置を含む)
・登録手続きの近代化による効率性
・透明性・サービス提供の改善
経過措置
・旧法に従って行われかつ新法の施行時に効力を有するいかなる行為も、本法に従って行われたものとみなされる。
・旧法に基づいてされた商標登録出願は、新法に従って処理される。
・旧法により登録された商標は、登録の満了時まで有効であり、当該商標の更新は新法に従って行わなければならない。
・旧法に基づく登録商標の侵害訴訟手続は、旧法に従い処理される。
・新法施行前に支払われた又は未払いの手数料は、新法に基づく支払済み又は未払いの手数料とみなされる。
概要
1.サービスが保護対象
新たにサービス(役務)が保護の対象に。
2.国際出願ルートの開設(154条)
ザンビアのマドリッドプロトコルシステムへの参加が規定され、手続上の手順が完了次第、国際商標出願にザンビアを含めることが可能となる予定。
3.保護対象となる商標の範囲の拡大 (2条)
商品標章、役務標章、著名標章、団体標章(76条)、証明標章(83条)、地理的表示(95条)、シリーズ商標(6条、30条))、連合商標(31条)、および音、形状、色(39条)の組合せ、包装からなる商標または、それらのいかなる組み合わせも保護対象となる。
4.出願人適格 (4条)
商標の所有者であると主張する者、または商品又は役務に係る商標を使用、もしくは使用する意思を有する者。
5.商標権発生、存続期間
・商標権発生:商標登録出願の提出日が当該商標の登録日とみなされ、商標権が発生する(8条)。
・存続期間:登録商標は当該商標登録出願の日から10年間有効(43条)。
・更新:商標登録の満了日又は前回の更新日から起算して10年間有効 (44条)。
6.一出願多区分制度(4条(3)、10条)
複数の商品・役務区分を指定した1出願をすることができる。
区分ごとに手数料を納付する。
7.登録要件
形式審査(15条)
実体審査(16条)
登録官は商標登録出願を拒絶しようとする場合、出願人に対して拒絶理由を通知するとともに、該通知の日から60日以内に反論、補正の機会を与える。
8.不登録事由
① 他の知的財産権により保護されていることを示唆する語、外国語の語、または同様の効果を有するその語の略語を含むもの(32条)
②「大統領」、「共和国」、「ザンビア」という語、または大統領の肖像を表す文字、図形もしくは表示であって、申請者が大統領の庇護もしくは認可、または政府の庇護もしくは認可を現在または過去に有しているかのように人々に誤解させるおそれのあるもの(事実と異なる場合も含む)(32条)
③ 商標の一部として著名な人物(生存者・故人を問わない)の氏名または肖像を含む商標(33条)
ただし、出願人が本人等から同意を得た場合はこの限りではない。
④ 共和国の国家象徴を含む標章、共和国の国家象徴の全部又は一部を表現又は図示した標章、共和国の国家象徴に類似し、共和国の国家象徴と誤認されるおそれのあるもの、共和国のその他のあらゆる紋章(35条)
⑤ パリ条約・Trips協定国国旗、紋章等(36条-38条))
⑥ 化合物名称、世界保健機関の国際一般名と同一、類似したもの(40条)
⑦ 商品・役務の特性を示すために用いられる標章または表示のみから構成されるもの(41条)
⑧ 慣習化されている標章又は表示から構成されるもの(41条)
⑨ 姓(41条)
⑩ 法令、公序良俗または一般に認められた道徳原則に反するもの(41条)
⑪ 商品またはサービスの性質、品質または地理的起源について、公衆を欺く、または混同を生じさせることを意図した性質のもの(41条)
⑫ 商品の性質から生じる形状、技術的効果を得るために必要な形状、商品に実質的な価値を与える形状のみから構成されるもの(41条)
⑬ 先願主義(同一又は類似の商品若しくは役務に係る同一又は類似の商標の最先出願の保護)(13条、42条)
⑭ 公衆において混同又は欺瞞の恐れがある商標(42条)
⑮ 同一類似商品等における著名標章の複製、模倣、翻訳(42条)
なお登録官は、42条の不登録事由に該当する場合であっても、先願権の権利者又は利害関係者が登録に同意する場合、商標を登録することができる(42条(2))。
⑯ 商標登録が失効した日から1年以内の同一又は類似の商標であって同一又は類似の商品又は役務(44条)
ただし、商標登録失効の直前2年間に当該商標の所有者または使用許諾者が真正な使用を行っていなかった場合、若しくは失効した当該登録商標の使用により欺瞞または混同が生じるおそれがない場合は、失効日から1年以内であっても登録を認める。
9.出願受理公告 (17条)
出願人は、出願受理の通知を受領した日から90日以内に、所定の手数料を納付して、その受理を知的財産公報に掲載しなければならない。
10.連合商標(31条)
登録官は、商標が次の各号のいずれかに該当する場合、当該商標を、先行登録商標又は商標登録出願を連合商標として登録することができる。
(a) 同一の権利者名義であること
(b) 同一又は類似の商品若しくは役務、又は商品若しくは役務の説明に関するものであること
(c) 登録若しくは商標登録出願中の他の商標と同一又は類似であり、かつ、その権利者以外の者によって使用された場合に欺瞞又は混同を生じさせるおそれがあるものであること
11.優先権主張(14条)
パリ条約加盟国の出願を基礎とし、提出日から6ヶ月以内に優先権の主張が可能。
12.異議申立 (19条~24条)
何人も、商標登録出願の受理が知的財産公報に掲載された日(17条)から60日以内に、商標登録に対する異議申立書を登録官に提出することが可能。
13.無効審判制度(47条)
商標の所有者又は利害関係者は、所定の方法及び様式により、所定の手数料を納付して、商標登録の取消しを登録官に申請することができる。
14.登録商標取消制度(48条)
① 不使用取消(5年以上の継続的な期間、不使用の場合)
② 登録簿への記載が誤って存続している場合
③ 登録簿の記載に誤りまたは欠陥がある場合
④ 当該商標が登録簿に不正に登録された場合
15.除斥期間 (49条)
先行登録商標の権利者又は著名商標の使用者が、ザンビアにおいてある者による商標の使用を5年間継続して黙認した場合、当該先行登録商標の権利者又は著名商標の使用者は、以下の権利を有しない。
(a) 商標登録の取消しを申請する権利
(b) 当該商標が使用された商品または役務に関して、当該商標の登録及び使用に異議を申し立てる権利
16.権利(50条~58条)
17.ライセンス制度(59条~63条)
18.権利行使(64条~75条)
取消、侵害に関するより明確な根拠制度を導入。
19.強化された救済措置 (第10章、第12章)
新たな民事措置、刑事措置、国境措置(差押え、検査、没収)の救済措置を導入し、侵害や偽造品への対処能力の向上。
違反行為の明確化を図る。
参考
ザンビア特許・会社登録庁(Patents and Companies Registration Agency :PACRA)のwebサイト
Notices | Patents and Companies Registration Agency
条文はPACRAの下記webサイトをご確認ください。
Act No. 11 of 2023, The Trade Marks
