2026年 7月27日
浅村特許事務所 知財情報
インドネシア 手数料体系を改定
インドネシアは、知的財産関連の手数料体系を2026年 8月 1日より改定します。
2024年政令第45号(「政令第45/2024号」)を廃止・置き換えした2026年政府規則第30号(GR 30/2026)が2026年 7月 2日に公布され、2026年 8月 1日に施行されることに基づくものです。
改定概要
手数料体系を著作権、意匠、特許、集積回路の回路配置、営業秘密、商標、地理的表示、知的財産権の執行、およびその他のカテゴリーごとに再編成しています。
改定点としては、楽曲および音楽に対する著作権登録料の新たな免除措置、約10年ぶりの商標手数料に関する大幅な増額、知的財産権執行サービスの新たな手数料制定、 ならびに知的財産権対象物に対する信託担保権登録のための手数料を明示的に設定したこと等が挙げられます。
著作権:楽曲および音楽録音物に対する新たな手数料免除措置
著作権に関して、楽曲または音楽の登録料手数料が無料となりました。
また、創作者、著作権者、または関連する権利所有者による著作権登録の抹消に関する特定のサービス種別を追加しています。
商標:手数料の大幅な引上げ
商標関連の手数料は2016年以来変更されていませんでしたが、今回の改定により、出願料および更新料が約50%~57%引き上げられ、約10年ぶりの大幅な商標手数料改定となります。
譲渡や異議申立てなどの関連手続きについても、40%~57%の引き上げが行われます。
商標出願:+55.6%(1区分)(IDR 1,800,000 ⇒ IDR 2,800,000)
商標更新:+55.6%(1区分)(IDR 2,250,000 ⇒ IDR 3,500,000)、更新猶予期間中の更新:+55.6%
異議申立て:+50%、 審判・不服申立て:+50%
名称・住所変更登録:+50%、商標権譲渡登録:+57.1%
商標ライセンス登録:+40%
なお、零細・中小規模企業に対する優遇措置は維持されていますが、インドネシア以外の外資法人は一律大企業区分となります。
マドリッド協定議定書:WIPO連動の料金体系と現地行政手数料の引き上げ
マドリッド制度におけるインドネシアを基礎出願とする国際商標登録出願手数料:+50%
マドリッド制度における国際商標のインドネシア国内商標への「転換(Transformation)」:+40%
マドリッド制度におけるインドネシア国内商標から国際登録への「代替(Replacement)」:+180%
(IDR 1,000,000 ⇒ IDR 2,800,000)
代替は、180%の大幅な引き上げとなることには要注意です。
特許:これまでインドネシアの新特許法(2024年法律第65号)によって導入された個別の公式料金において示されていなかった手続きについて、料金を設定
・早期実体審査請求(Early Substantive Examination)
・年金の遅延納付
・優先権の回復請求
・形式要件の不備に伴う特許出願の回復・復権
・出願人自ら取り下げた特許出願に対する実体再審査請求
・出願人自ら取り下げた簡易特許(Simple Patent)出願に対する実体再審査請求
地理的表示手数料の明示:別個に記載
料金表において地理的表示を商標から分離し、個別に地理的表示に関する料金が記載されました。
地理的表示の手数料は、IDR 450,000からIDR 1,450,000へと引き上げられましたが、この増額分は以前別個のサービスとして扱われていたが今回の料金項目から削除された実体審査手数料(IDR 1,000,000)分に相当します。
従って、出願における2つの手数料が統合されたことを示しており、実際には料金の増額はありません。
知的財産権執行手数料の導入
電子システムにおける知的財産権侵害報告の取り扱いに関する2025年省令第47号に基づき、いかなる当事者からも提出されるウェブサイト削除勧告の要請を対象とする、専用の知的財産権執行手数料が導入されました。
ウェブサイト削除要請および調停申請の処理を支援し、迅速化を目的としたものです。
知的財産権担保融資:知的財産権対象物に対する信託担保
知的財産権対象物に対する信託担保権の登録に関する手数料を明示的に設定しました。
知的財産権を担保とする担保権設定の届出を法務省の行政サービス枠組み内に位置づけたものです。
意匠、集積回路の回路配置、および営業秘密
手数料に変更はありません。
インドネシアにおける知的財産の保護および管理を担うインドネシア知的財産総局(DGIP:Director General of Intellectual Property)が電子出願システムを通じてこれらの手続きを導入するために必要なシステムの更新を完了するには、ある程度の時間を要するとのことです。
そのため、当該システムが利用可能になるまで、これらの新しい手続きを利用することができない可能性があることにご留意ください。