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モルドバ共和国 欧州特許条約(EPC)に加盟

 2026年 6月 1日
浅村特許事務所 知財情報


モルドバ共和国 欧州特許条約(EPC)に加盟


 



 2026年 3月25日に欧州特許条約(EPC)への加入書が寄託されたことを受け、 モルドバ共和国は2026年 6月 1日に欧州特許条約 (EPC: European Patent Convention) に加盟しました。 

 モルドバ共和国は欧州特許機構の40か国目の締約国となります。

 2026 年 6月 1日以降に行われる国際出願には、欧州特許のためのモルドバ共和国の指定が含まれます。
 この加盟に伴い、2015年11月からこれまで採用していた欧州特許をモルドバ共和国の国内特許として認証することに関する欧州特許機構との有効化の合意は終了しました。
 但し、2015年11月 1日以降2026年 6月 1日より前になされた欧州出願と国際出願、並びにそれらの出願に基づいて付与された欧州特許については、引き続き欧州特許の有効化協定が適用されるため、当該有効化協定に基づく有効化手続きを行う必要があり、認証手数料(€200)をモルドバ共和国に別途支払う必要があります。

詳しくは、Republic of Moldova joins European Patent Organisation as 40th member state | epo.org をご参照ください。

 

モルドバ共和国における欧州特許(EP)の有効化手続き

モルドバ共和国は欧州特許条約に加盟し締約国となったことにより、欧州特許庁(EPO)における特許付与手続きが終了した後、モルドバ国内で欧州特許権を有効にするために、有効化(バリデーション)手続きを行う必要があります。

(1)手続き内容(EPC65条)

ルーマニア語翻訳:特許出願書類全文のルーマニア語での翻訳文を提出します。
手数料        :バリデーションに関する有効化手数料の納付が必要です。
出願人の指定  :欧州に居住していない出願人は現地代理人(欧州特許弁理士)を指定します。
         その現地代理人を通じて手続きを行う必要があります。

(2)提出期限(EPC65条)

モルドバ国家知的財産庁(AGEPI)に対し、欧州特許庁EPO)による欧州特許付与の告示が欧州特許公報に公告されてから3ヶ月以内に手続きを行います。

 

欧州特許によって与えられる権利

欧州特許庁(EPO)に出願し審査を経て欧州特許が付与されると、その付与の告示が欧州特許公報に公告された日から各締約国において、当該締約国で与えられる権利と同一の権利が与えられます(EPC64条(1))。

但し、各国での欧州特許権を有効とするには、有効化(バリデーション)手続きを行う必要があります。

バリデーション手続きとは、特許付与の告示通知が欧州特許公報に広告された日から3ヶ月までに権利化を希望する国ごとに翻訳文提出、指定手数料納付及び国内代理人の指定を行うことをいい、バリデーション手続きを行って初めて各国での欧州特許権が有効となります(EPC65条)。

全ての欧州特許出願およびPCT国際出願からEPOへ移行された出願(Euro-PCT出願) *¹において、バリデーションの対象となる締約国、拡張国、認定国を指定することができます。

*1:Euro-PCT出願(特許協力条約に基づく国際出願)

PCT国際出願において、欧州特許庁を指定・選択することが可能であり、かつ、国際出願日が与えられた国際出願は、正規の欧州出願とする(EPC153条(2))。 

国際出願を欧州内段階に移行させることで、通常の欧州出願と同様の効力を有します。

 

締約国

欧州特許条約 (EPC: European Patent Convention) に加盟した国をいい、2026年 6月 1日時点で40か国が締約国となっています。

参照:List of member states sorted according to the date of accession | epo.org

ベルギー(BE)、ドイツ(DE)、フランス(FR)、ルクセンブルク(LU)、オランダ(NL)、スイス(CH)、イギリス(GB)、スウェーデン(SE)、イタリア(IT)、オーストリア(AT)、リヒテンシュタイン(LI)、ギリシャ(GR)、スペイン(ES)、デンマーク(DK)、モナコ(MC)、ポルトガル(PT)、アイルランド(IE)、フィンランド(FI)、キプロス(CY)、トルコ(TR)、ブルガリア(BG)、チェコ(CZ)、エストニア(EE)、スロバキア(SK)、スロベニア(SI)、ハンガリー(HU)、ルーマニア(RO)、ポーランド(PL)、アイスランド(IS)、リトアニア(LT)、ラトビア(LV)、マルタ(MT)、クロアチア(HR)、ノルウェー(NO)、北マケドニア(MK)、サンマリノ(SM)、アルバニア(AL)、セルビア(RS)、モンテネグロ(ME)、モルドバ(MD)

 

拡張国(Extension state)および認証国(Validation state)

EPC非加盟国であっても、欧州特許出願又は欧州特許の効力を当該国に及ぼすことができる国をいい、EPOと当該国との間で二国間協定が締結されています。

拡張国(Extension states)Extension states | epo.org

拡張国は、欧州特許機構(EPOrg)と拡張協定(Extension agreement)を結んだ欧州地域の非EPC加盟国で、現在、ボスニア・ヘルツェゴビナ(BA)の1カ国のみです。旧来の欧州域内の非EPC国向けの制度です。

権利の有効化のために、EPOに対し拡張手数料を納付する必要があります。

・認証国(Validation states)Validation states | epo.org

認証国は、欧州特許機構(EPOrg)との有効化の合意(欧州特許の有効化協定)である認証協定(Validation agreement)を結んだ非EPC加盟国をいい、2026年 6月 1日時点で、モロッコ(MA)、チュニジア(TN)、カンボジア(KH)、ジョージア(GE)、ラオス(LA)の5カ国です。

認証協定は、欧州外の国へも欧州特許制度を拡大することを趣旨としています。

権利の有効化のために、EPOに対し認証を希望する国ごとに認証手数料を納付する必要があります。