2025年10月 3日
浅村特許事務所 知財情報
欧州特許庁 特許出願におけるカラー図面、グレースケール図面の受け付け開始
欧州特許庁(EPO)は、カラー図面、グレースケール図面による特許出願の受け付けを、2025年10月 1日から開始しました。
カラー図面またはグレースケール図面は、所定の電子出願で提出された場合にのみ受理されます。
又、ヨーロッパ特許のEuro-direct 出願に適用されますが、PCT出願には適用されません。
9月 5日の官報によりますと、Euro-PCT出願及びヨーロッパ特許出願(Euro-direct出願)の取り扱いについて、それぞれ次のように説明されています。
[2025年10月1日以降に欧州移行するEuro-PCT出願について]
PATENTSCOPE上でカラーまたはグレースケールの図面が利用可能であり、かつ国際公開にその旨が記載されている場合に限り、カラーまたはグレースケールの図面に基づいて処理されます(例:「白黒で公開されたが、出願時にはカラーまたはグレースケールの図面が含まれており、PATENTSCOPEからダウンロード可能である」と記載されている場合)。
PATENTSCOPEにカラーまたはグレースケールの図面が存在しない、または国際公開にその旨が記載されていない場合は、白黒で公開された図面に基づいて処理されます。
[2025年10月 1日より前に欧州移行したEuro-PCT出願について]
たとえ国際出願時にカラーまたはグレースケールの図面が提出されていたとしても、白黒で公開された図面に基づいて処理されます。
このような場合、出願人が後にEPO(指定官庁または選択官庁)にカラーまたはグレースケールの図面を提出した場合、EPOはEPC第123条第2項(補正における新規事項追加の禁止)に基づき審査します。
ただし、PATENTSCOPEにカラーまたはグレースケールの図面が存在し、かつ国際公開にその旨が記載されている場合に限り、出願時の図面としてカラーまたはグレースケールの図面が含まれていたとみなされます。
さらに、EPOが2025年10月 1日以降に受領した修正されたカラー図面を受け入れた場合、それらのカラー図面が処理の基礎となり、特許公報にも含まれることになります。
[2025年10月 1日以降のヨーロッパ特許出願(Euro-direct出願)について]
カラー図面またはグレースケール図面含むEuro-direct出願の場合は、カラー図面またはグレースケール図面を含んで公開されます。
EPOニュース
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