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欧州 UPC発効日以降に国内訴訟が開始された場合に限りオプトアウトを撤回することができない


 2024年11月25日
浅村特許事務所 知財情報


欧州 UPC発効日以降に国内訴訟が開始された場合に限り
オプトアウトを撤回することができない


 

   

 UPC統一特許裁判所の控訴裁判所(CoA)は、一審判決(AIM v. Supponor, CFI 214/2023, Oct. 20,2023)を覆し、 UPCA第83条第4項に規定するオプトアウトの撤回ができない場合とは、UPCが発効された2023年 6月 1日以降に国内訴訟が開始された場合に限られるとの判決を下しました (AIM v Supponor, CoA 489/2023, Nov. 12,2024)。

 従って、2023年 6月 1日より前に提起された国内訴訟が係属中の場合、若しくは、2023年 6月 1日より前に提起された国内訴訟がすでに終結している場合であっても、 オプトアウトを撤回すること、すなわち、オプトアウトの取下げ申請が認められ、オプトアウトした特許を再度統一特許裁判所の専属管轄制度に移行させるオプトインが可能となりました。

 これにより、特許権者は、特許が国内の裁判所で係争中となっている場合、 オプトアウトの取下げ申請は認められないことを理由としてオプトアウトをすることをためらっていた欧州特許(EP)のオプトアウトが増える可能性があります。

 また、特許権者は、2023年 6月 1日以前に開始された国内訴訟の対象であった場合、または2023年 6月 1日以前に開始され現在も訴訟中の欧州特許(EP)について、 宣言したオプトアウトを自由に撤回できるようになったため、UPC訴訟を利用できる欧州特許(EP)が増える可能性があります。
 

 UPCの内容については、当所 各国知財制度のEPO をご参照ください。