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日本 日米協働調査試行プログラム 延長 手続き簡素化

2022年11月14日
浅村特許事務所 知財情報


日本 日米協働調査試行プログラム 延長 手続き簡素化


 


 強く安定した権利を早期にユーザーに提供することを目的として、2015年 8月 1日に試行が開始された日米協働調査試行プログラム(US-JP CSP: US-JP Collaborative Search Pilot Program)は、2022年11月 1日からさらに2年間(2024年10月31日まで)延長されました(第3期)。

 

 

1.日米協働調査試行プログラム

 日米協働調査試行プログラムとは

  日本とアメリカに特許出願した発明について両国の特許審査官がそれぞれ調査を実施し、その調査結果と見解を共有した後に、両国の審査官が、早期かつ同時期に最初の審査結果を送付する、国際的な特許審査の取組のことをいう。
 

日米協働調査試行プログラムの概要

特許庁行政年次報告所2021 より抜粋(honpenall.pdf (jpo.go.jp))

 

日米協働調査試行プログラムを利用するメリット

① 日本国特許庁(JPO)及び米国特許商標庁(USPTO)(以下、「両庁」という)から同時期に最初の審査結果が送付される
審査・権利取得の時期に関する予見性が向上する。

② 日米の特許審査官の見解が共有される
両庁における最初の審査結果の判断の一致する可能性が高まることで、両庁の審査結果(FA)に対する応答負担が減少し、より強く安定した権利を得ることが可能となる。

③ 日本の審査官が最初の審査結果(FA)において文献(引用文献及び先行技術文献)を提示
USPTOの審査官は提示した文献につき、引用文献の通知フォームであるPTO-892に記載することにより、USPTOへの情報開示陳述書(IDS)提出負担が軽減される。

④ 出願人が技術的に関連する一群の出願をまとめて申請した場合
日米両国の審査官は最初の審査結果(FA)を同時期に発送するため、出願人は同時期に一群の出願の審査結果を得ることが可能となる。

 

調査対象となる日本出願の条件

 1.対応する米国特許出願があること

 2.申請要件*¹を全て備えているもの

 3.米国特許出願も、米国側の要件英語版)を満たしていること 
 

申請

日米協働調査試行プログラムの申請手続が簡素化され、一方の特許庁に、日米協働調査の申請書(統一申請書)を提出するのみで良い。
なお、引き続き、一方の特許庁に日米協働調査の申請書を提出し、他方の特許庁には、その提出した日の次の日を起算日として15日以内に申請書を提出する、従来の手続きも可能。
申請料は、無料。

 

参加承認可否連絡

JPOから出願人に対して、申請承認の可否が申請書の提出から30日以内に連絡される。
なお申請は、期間内に両庁で申請を受理した(申請が許められた)順に400件までであるが、過去の実績は100件以下である。

 

調査結果の発送

参加を承認してから、平均100日程度で出願人に審査結果(FA)が発送されている。
なお、両特許庁の審査結果発送のタイムラグは1か月程度である。

 

*¹ 申請要件

(1)請求項20項以内、かつ、独立請求項3以内であること

(2)相手庁において、実質的に対応する独立請求項を有する対応出願があること

(3)審査着手可能な状態であり、かつ、審査着手前であること
申請された案件が着手可能な状態でない場合は、出願人にその旨が連絡される。
出願人は案件の状態を、(i) オンライン閲覧請求(有料) (ii) 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の閲覧(公開済の出願のみ)(ⅲ)個別の問い合わせにより確認することができる。

   「審査着手前」:審査官等による以下のいずれかの通知等が到達する前を意味する。
     拒絶理由通知(50条)
     特許査定の謄本(52条②)
     明細書における先行技術文献開示義務違反の通知(48条の7)
     同一発明かつ同日出願の場合の協議指令(39条⑥)

(4)出願公開の有無にかかわらず申請できる。
   ただし、申請時に出願が公開前である場合には、US出願の対応する請求項の写しの提出が必要となる。

(5)対応する独立請求項の最先の優先日が同じであること 

(6)全ての出願の優先日あるいは出願日のうち、最先の日付が2013年 3月16日以降であること

(7)日米協働調査の申請時に、審査請求済であること
   
なお、審査請求と同時に日米協働調査の申請をすることができる。

(8)申請は、1出願単位で行うこと
ただし、技術的に関連する一群の出願について、日本に対しては、まとめて申請することができる。まとめの上限は、5件程度とする。

(9)事業戦略対応まとめ審査、早期審査、スーパー早期審査のいづれも申請をしていないこと
   ただし、申請を取り下げた場合には、日米協働調査の申請ができる。

 

詳しくは、特許庁ウェブサイト:「日米協働調査試行プログラムを2年間延長します」「日米協働調査試行プログラムについて 」をご参照ください。