浅村特許事務所 知財情報
2019年11月6日
アメリカ 米国特許付与後の無効化手続、CAFCで違憲との判断
IPR他2013年法改正で導入された特許付与後の無効化手続に対しては、違憲であるとの訴訟がいろいろな理由で提起されていますが、今回、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)で違憲との判断が出ました(Arthrex, Inc. v. Smith & Nephew, Inc., Appeal No. 2018-2140 (Fed. Cir., October 31, 2019))。
Smith & Nephewは、Arthexの縫合糸固定アセンブリの特許の当事者系レビュー(IPR)を申請し、PTAB(Patent Trial and Appeals Board)レベルで勝訴しましたが、ArthrexがCAFCに控訴し、IPR等を審理するPTABを構成する行政特許裁判官(APJ, Administrative Patent Judge)の地位が違憲であると判断されました。より具体的には、APJの持つある種の身分の独立性が、上院の承認を得ないで就任できる行政機関の職員としては強すぎであり、特許庁長官が自由に罷免等できるものでなければならない、とのCAFCの判断が出たようです。
これを理由として、本件はPTABに差し戻され、新たなAPJによって審理されるとのことです。潜在的には他の全てのIPR等に影響を与えうる判断であり、今後の推移が注目されます。
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