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日本 ポッキーのプレミアム商品、韓国類似商品との訴訟に完全勝

浅村特許事務所 知財情報 
 2016年2月28日


日本 ポッキーのプレミアム商品、韓国類似商品との訴訟に完全勝訴


【事案の概要】

 江崎グリコ社(原告)は、韓国で未発売の日本国内限定商品「バトンドール」を販売していましたが、韓国ロッテ社(被告)が「バトンドール」の包装と酷似した商品「プレミアペペロ」を期間限定で発売しました。これを受けて江崎グリコ社は、韓国で保有している意匠権の侵害及び商品形態模倣の不正競争行為に該当するとし、ソウル中央地方法院に侵害差止訴訟を起こしました。

 

    原告製品                                                                            

 

             被告製品

 

 

【判決の概要】

 2015年8月21日付で被告製品の生産・譲渡等を禁ずるという原告勝訴判決を言い渡し、同判決は、被告側の上訴無しに確定となりました。 (ソウル中央地方法院2015.8.21言渡し2014ガ合581498判決

 

 判決では以下3つの点が判断されました。

 

① 被告の製品包装は、原告の韓国登録意匠と主な特徴が共通し、対比されるデザインの比率の違い等は審美感に影響を及ぼさないこと等から同一・類似であるため、意匠権侵害である

 

② 被告製品包装は、原告商品包装をそのまま模倣したものであり、不正競争防止法上のデッドコピー禁止規定違反に相当する

 

③ 被告製品は、原告の資金と労力の投資の成果である原告製品を模倣した競争商品であって、これを製造・販売する行為は不正競争防止法上の一般条項違反に相当する

 

【まとめ】

 原告会社が適切な意匠権を確保していたことが勝利に直接結びついており、韓国の模倣品対策における意匠権の有効性を伺わせる事件といえます。

 韓国ではここ数年でデザイン保護法の改正が相次いで行われており、2014年には存続期間が15年から20年へ延長される等、制度面において意匠権をより活用しやすくなってきています。本判決を踏まえ、韓国での意匠権活用はより重要度を増してくるものと思われます。

 また、日本の不正競争防止法には存在しない韓国不正競争防止法の一般条項が適用された点においても、今後の実務において参考になるものと思料致します。

 

 

 


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