住所:東京都品川区東品川 2丁目2番24号天王洲セントラルタワー
TEL:03-5715-8651(代表)
FAX:03-5460-6310

【カナダ】連邦裁判所判決

浅村特許事務所 知財情報 
 2015年2月25日


【カナダ】連邦裁判所判決


 

[カナダ、連邦裁判所判決]

特許性のない治療方法クレーム(特許法第2条)に関する問題は法律問題であるから、審理には正当性基準が適用される。問題のクレームは薬剤の投与量及び投与間隔につき、範囲ではなく、一定値で規定しているので、クレーム発明の実施に際し、医者の専門的技術及び判断力は求められておらず、治療方法の禁止に違反していない特許性がある主題であると判示した。

 

事件の概要

AbbVie社は、その出願に係る問題のクレームが、治療方法を対象としているとして、特許付与を拒絶されたため、これを不服として上訴した。

問題のクレームについて、新規性、進歩性等は認められていたので、治療方法を対象としているかについてのみ審理され、その結果、特許性が認められた。

 

裁判所

連邦裁判所

当事者

原告

AbbVie Biotechnology Ltd.

被告

司法長官

事件番号

T-1094-14

判決日

2015年1月20日

関連条文及びキーワード

特許法第2条 治療方法 正当性基準 合理性基準

審理対象

問題のクレームは、治療方法を対象としているので、特許法第2条に基づいて特許性がないと判断した長官の決定

結論

長官は、問題のクレームは治療方法をクレームしていると誤って認定した。当該クレームは治療方法の禁止に違反しておらず、特許性がある。

理由

[1] 審理に適用される基準

 クレーム解釈に争いはなく、争いのある事実問題(合理性基準)は挙げられていない。唯一の争点は、長官による特許性のある主題の解釈、特に、治療方法の禁止(特許法第2条の発明の定義)に関するので、審理に適用される基準は、法律問題に適用される正当性基準である。

[2] 問題のクレームは治療方法を対象としているか

(1) 長官が依拠した先例(Janssen事件等)には、薬剤の投与量及び投与期間が一定範囲として規定されている。

従って、医者の専門的技術及び判断力の発揮が期待される。

(2) しかし、問題のクレームには、投与量及び投与間隔が一定値として規定されており、クレームの範囲内において、医者の専門的技術及び判断力の発揮は要求されていない。

 従って、問題のクレームは、治療方法をクレームしておらず、治療方法の禁止に違反していない。

裁判官

Kane

 

特許法第2条

Definitions

2. In this Act, except as otherwise provided,

・・・

“invention” means any new and useful art, process, machine, manufacture or composition of matter, or any new and useful improvement in any art, process, machine, manufacture or composition of matter;

・・・

 

 

AbbVieのクレーム(判決文に掲載されていた本質的部分のみ)

A preloaded syringe of 40 mg of the drug Humira for the treatment of arthritic disease or an inflammatory bowel disease; administered subcutaneously; for use on an every other week dosing interval of 14 days (i.e., bi-weekly)

(下線は弊所にて付す。)

要旨:『関節炎疾患又は炎症性腸疾患の治療のために、2週間毎の皮下投与に使用される、薬剤ヒュミラ40mgを充填した注射器のクレーム』

 

 

AbbVieの特許第2385745号のクレーム(下記URLより)

What is claimed is:

1. A preloaded syringe comprising a syringe, 40 mg of an isolated human anti-TNFα antibody wherein said antibody

(a) comprises a light chain variable region (LCVR) comprising a CDR3 domain comprising the amino acid sequence of SEQ ID NO: 3, a CDR2 domain comprising the amino acid sequence of SEQ ID NO: 5, and a CDR1 domain comprising the amino acid sequence of SEQ ID NO: 7; and

(b) comprises a heavy chain variable region (HCVR) comprising a CDR3 domain comprising the amino acid sequence of SEQ ID NO: 4, a CDR2 domain comprising the amino acid sequence of SEQ ID NO: 6, and a CDR1 domain comprising the amino acid sequence of SEQ ID NO: 8;

and at least one pharmaceutically acceptable carrier, for treating an arthritic disease or an inflammatory bowel disease in a human subject, said preloaded syringe being

(i) adapted for subcutaneous administration of its contents to the human subject in need thereof and (ii) for use on a continuous schedule having an every other week dosing interval of 14 days.

(下線は弊所にて付す。)

 

AbbVie v Canada (Federal Court)

http://decisions.fct-cf.gc.ca/fc-cf/decisions/en/item/100275/index.do

 

AbbVie の特許第2385745号

http://brevets-patents.ic.gc.ca/opic-cipo/cpd/eng/patent/2385745/summary.html

 

 

 

 

 


URL: https://www.asamura.jp/

Email: asamura@asamura.jp

Copyright© ASAMURA PATENT OFFICE, p.c.  All Rights Reserved.