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【オーストラリア】幹細胞の特許性に関する現状

浅村特許事務所 知財情報 
 2014年9月10日


【オーストラリア】幹細胞の特許性に関する現状


 

【要約】

オーストラリアにおける幹細胞の特許性については、特許法第18条に基づいて、人及びその産生のための生物学的方法は特許できないと規定されている。第18条における人には、人胚は含まれるが、人幹細胞は含まれないと解釈されている。

従って、人胚に係る発明は特許できる発明ではないが、人幹細胞に係る発明は特許できる発明である。

 

特許法18条(2)によると、人及びその産生のための生物学的方法は、オーストラリアにおいては特許できる発明ではない。更に、第18条(3)によると、植物、動物、又は植物若しくは動物の産生のための生物学的方法をクレームする革新特許を取得することはできない。

 

特許技監(Deputy Commissioner of Patents)は、PCT出願(AU19990044916、発明の名称「人胚のインビトロにおける培養のための方法及び培地」、出願人Fertilitescentrum AB 及びLuminis Pty Ltd [2004])における決定において、「人」についての特許性を排除することは、合理的に見て人である状態をクレームすると思われる発明の特許化を禁止することであり、受精卵及びこれに続いて現れる全ての段階が当該禁止の対象に含まれると判断した。また、「(人の産生)のための生物学的方法」への特許を禁止することは、当該方法が人の産生に直接関連する方法である限り、受精から誕生までに係る全ての生物学的方法が含まれると判断した。

オーストラリア特許庁は、上記Fertilitescentrum AB 及びLuminis Pty Ltd [2004]事件における特許法第18条(2)に規定する「人」の解釈に従って、人幹細胞及び人幹細胞系それ自体は、第18条(2)の意味に含まれる人又は潜在的な人とは考えられないため、特許できると判断している。

これに対し、人胚は、第18条(2)に規定する「人」の範囲内であると考えられている。従って、人胚、及び何れの目的であっても幹細胞の採取を含む人胚を産生又は培養する方法は、オーストラリアにおいては特許できない。従って、このような特許性の排除は、核移植、改変された核の移植、配偶子の活性化、及び単為生殖による胚の産生等の人胚産生のための全ての手段にまで拡張される。

 

オーストラリアにおいて、人幹細胞及び人幹細胞系それ自体は、一般的に特許できるが、人胚及び何れの目的であっても幹細胞の採取及び単為生殖を含む人胚を産生又は培養する方法を対象とするクレームは依然として特許できない。

 

Patent Act Section 18

(2) Human beings, and the biological processes for their generation, are not patentable inventions.

Certain inventions not patentable inventions for the purposes of an innovation patent

(3) For the purposes of an innovation patent, plants and animals, and the biological processes for the generation of plants and animals, are not patentable inventions.

 

幹細胞に関する記事としては、既発行の海外情報要約第199号、第215号、及び第234号がある。

 

 


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