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インド インド特許法の改正について ―2019年9月17日施行―

 

 

浅村特許事務所 知財情報 
 2019年10月30日


インド インド特許法の改正について ―2019年9月17日施行―


2019年9月17日、インド商工省産業国内取引促進局 (DPIIT) がインド特許規則の改正を公表し、同日この規則は施行されました(1)

主な改正点は次の通りです。

◆書類の電子システム化
出願書類全てを、インド特許庁に電子送信でのみ提出することとなりました。但し、原本での提出を求められた書類については、15日以内に原本を提出する必要があります。15日以内に提出されない場合にはその書類は提出されなかったものとみなされます。

◆早期審査制度の対象の追加・拡充
本改正前は、早期審査を請求できる出願人は、 (a) 国際調査機関(ISA)または国際予備審査機関(IPEA)としてインドを選択した国際出願の出願人、あるいは(b) 出願人が特定の条件を満たすスタートアップ企業 である(2)場合、のいずれかに限られていました。そのため、日本企業や日本の出願人は早期審査を請求することができませんでした。
今回の改正により、早期審査を請求できる出願人の条件が、次のように新たに追加・拡充されました。
 ― 出願人が小規模企業 (small entity)であること
 ― 出願人が女性、または共同出願人の中に女性がいること
 ― 出願人が政府機関であること
 ― 出願人が中央政府または州政府により設立された機関で、政府管轄機関であること
 ― 出願人が2013年会社法第2条(45)にて定義される政府企業であること
 ― 出願人が、全面的又は実質的に政府により出資された機関であること
 ― 中央政府の要請に基づいて指定されたセクターに関する出願であること
  ― 出願人が、インド特許庁と外国特許庁間の合意に従い特許出願を処理する取り決めのもとで、資格を有すること

特に最後の文、「インド特許庁と外国特許庁間の合意に従い特許出願を処理する取り決めのもと」に基づく早期審査は、日本-インド間のPPHを想定しているとも考えられています。但し現在のところ、日本-インド間のPPHは開始されてはいません。

◆手数料について
オンラインによるPCT出願送信手数料(e-Filing)、及びWIPO-DAS (Digital Access Service)を利用しての証明書提出手数料については、いずれも無料となります。

 


注釈:
(1) http://www.ipindia.nic.in/writereaddata/Portal/News/569_1_The_Patent_Amendment_Rules_2019_.pdf
本特許規則の改正は、2018年12月に公開された特許規則の改正案に基づいたものである。
(*参考) 2018年12月に公開された特許規則の改正案:
https://dipp.gov.in/sites/default/files/draft_PatentRule_10December2018.pdf
 (2) この場合の「スタートアップ企業」とは、(a)創立してから5年未満、(b)年間の売上高が2億5000万ルピー(約4億円)を越えていない、(c)技術革新、開発、展開に向けて取り組んでいる、又は知的財産や技術を駆使した新製品・サービスを商品化している、の全ての要件を満たす企業である。

 

No.285


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