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台湾 台湾特許法改正-グレースピリオドを12ヶ月に延長

浅村特許事務所 知財情報 
 (2019年7月29日発行)


台湾 台湾特許法改正-グレースピリオドを12ヶ月に延長


 

  2017年3月15日、台湾特許庁は台湾特許法の改正を公告し (i) 、5月1日に施行されました (ii)

 発明及び実用新案のグレースピリオドを元来の6ヶ月から12ヶ月に延長することが主な改正点です。

 

 改正条文は以下のURLで公開されています(繁体字PDF)。

 https://www.tipo.gov.tw/site/UipTipo/public/Attachment/72211472770.pdf

 

<主要な改正点とその目的>

 

1. グレースピリオドの延長

 

 6ヶ月と規定されていたグレースピリオドが12ヶ月に延長され、出願人による公知行為のみに限定されることはなくなりました。技術の公表と普及をさらに促進するため、出願人が意図して、又は意図しないで公表されたいずれの発明・実用新案においてもグレースピリオドが認められます。

 

2. 特許公報はグレースピリオドへの適用なし

 

 特許公報の発行は研究開発における重複研究・重複投資を避け、特許されたクレームの正確な範囲を公衆に周知することを目的として発行されているものです。一方、グレースピリオドは、発明の新規性および進歩性の判断において、出願前に行われた例外的開示を考慮しないことを保証するために設定されています。これら特許公報による技術の開示と出願人による意図した開示行為とは明確に異なるため、グレースピリオドに関する規定は、対象となる技術が特許公報に記載されたものである場合には適用されません

 

3. 特許出願前の出願人による公知行為についての要求を削除

 

 出願人の権利をより確実に保護するために、出願人が「特許出願の時点でグレースピリオドの適用を要求しなければならない」ことを要求する規定が削除されました。

 


注釈:

(i)  台湾特許庁 2017年3月15日(英文)

https://www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=618069&ctNode=6687&mp=2

 

(ii)  台湾特許庁 2017年5月4日(英文)

https://www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=622335&ctNode=6687&mp=2