住所:東京都品川区東品川 2丁目2番24号天王洲セントラルタワー
TEL:03-5715-8651(代表)
FAX:03-5460-6310

【米国】CAFC判決

浅村特許事務所 知財情報 
 2015年1月10日


【米国】CAFC判決


 

[米国、CAFC判決]

Myriadが所有する特許について、特定の遺伝子のヌクレオチド配列を決定するためのDNAプライマーに係るクレーム及び被験者の特定の遺伝子の生殖系列配列等を野生型のものと比較して、相違があれば被験者の遺伝子に変異があるとする方法に係るクレームについて、特許適格性がないとした原審を是認した事例

 

裁判所

CAFC

当事者

原告-控訴人

(特許権者)

MYRIAD GENETICS, INC. etc.

被告-控訴被告

(被疑侵害者)

AMBRY GENETICS CORPORATION

事件番号

2014-1361, -1366

判決日

2014年12月17日

関連条文及びキーワード

特許法第101条 特許適格性 遺伝子配列の比較 DNA

対象の特許及びクレーム

米国特許第5,753,441号のクレーム7及び8(共に方法のクレーム)

米国特許第5,747,282号のクレーム16及び17(共にDNAプライマーのクレーム)

米国特許第5,837,492号のクレーム29及び30(共にDNAプライマーのクレーム)

下級審情報

事件番号 2:13-cv-00640-RJS、及び 2:14-md-02510-RJS

控訴対象

Myriadによる差止めの仮処分の申立てを認めなかった地方裁判所の判断

結論

問題のDNAプライマー(組成物)及び方法に係るクレームは、特許法第101条に違反して、特許適格性のない主題を対象としていると判示して、地方裁判所は、Myriadによる差止めの仮処分の申立てを認めなかったのは適切であるとした(事件は差戻し)。

理由

[1] DNAプライマーのクレーム(*1)

 先の判決において、最高裁判所は、自然界で見出されるDNA構造のものと類似した機能を有するものは、その構造が独特である場合にのみ特許適格性を有すると判示した。

本件のDNAプライマーはこのような異なる構造を有していないので、特許適格性がない。

[2] 方法のクレーム(*2)

① 引用したクレーム1に係る部分について

 被験者からの遺伝子配列と野生型のものとの比較に関しており、Alice事件における第1のステップ(クレームが抽象的概念を対象としているかどうかについて判断)に相当する。

先のMyriad事件(CAFC)において既に判示したように、抽象的な精神的な工程であり、特許適格性がない。

更に、比較の数、方法、目的等について限定されていない。また、類似の問題について、最高裁判所は、単離DNAに関するMyriad事件において、このような科学的研究の基本的要素への独占を特許法は認めていないと判示した。

② 引用部分を除いたクレーム7及び8について

これらは、比較する際に用いられる技術に関しており、Alice事件における第2のステップ(クレーム中の要素等により、抽象的概念をかなり超えるものとなっているかどうかを判断)に相当する。

遺伝子配列の比較法として挙げられている交雑及び交雑形成の検出(クレーム7)及び増幅及び配列化(クレーム8)は、全体として、クレームを特許適格性を有するものにするのに十分なものを追加していない。これらの技術は、通常の従来的な工程のみである。

裁判官(巡回裁判所判事)

Prost(主席判事)、Clevenger及び Dyk

(反対意見なし)

 

*1:

第5,747,282号特許

Claim 16

A pair of single-stranded DNA primers for determination of a nucleotide sequence of a BRCA1

gene by a polymerase chain reaction, the sequence of said primers being derived from human chromosome 17q, wherein the use of said primers in a polymerase chain reaction results in the synthesis of DNA having all or part of the sequence of the BRCA1 gene.

(DNAプライマーに係る他の3つのクレームは、このクレーム16に類似している。)

 

*2:

第5,753,441号特許

Claim 1

A method for screening germline of a human subject for an alteration of a BRCA1 gene which comprises comparing germline sequence of a BRCA1 gene or BRCA1 RNA from a tissue sample from said subject or a sequence of BRCA1 cDNA made from mRNA from said sample with germline sequences of wild-type BRCA1 gene, wild-type BRCA1 RNA or wild-type BRCA1 cDNA, wherein

a difference in the sequence of the BRCA1 gene, BRCA1 RNA or BRCA1 cDNA of the subject from

wild-type indicates an alteration in the BRCA1 gene in said subject.

・・・

Claim 7

The method of claim 1 wherein a germline nucleic acid sequence is compared by hybridizing a BRCA1 gene probe which specifically hybridizes to a BRCA1 allele to genomic DNA isolated from said sample and detecting the presence of a hybridization product wherein a presence of said product indicates the presence of said allele in the subject.

 

Claim 8

The method of claim 1 wherein a germline nucleic acid sequence is compared by amplifying all or part of a BRCA1 gene from said sample using a set of primers to produce amplified nucleic acids and sequencing the amplified nucleic acids.

 

 

 

CAFC

http://www.cafc.uscourts.gov/images/stories/opinions-orders/14-1361.Opinion.12-15-2014.1.PDF

***

 なお、本判決(2014年12月17日)の前日である16日に、USPTOは、Alice事件等、最高裁判所による最近の判決に鑑みて、特許法第101条に基づく主題適格性を判断するに際して、USPTO内部で使用するための暫定的ガイダンス(特許主題適格性に関する2014年暫定的ガイダンス)を発表した(コメント募集中)。

 

Federal Register

http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2014-12-16/pdf/2014-29414.pdf

 

 


URL: https://www.asamura.jp/

Email: asamura@asamura.jp

Copyright© ASAMURA PATENT OFFICE, p.c.  All Rights Reserved.