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米国特許制度

最新制度 2015年10月施行
(U.S.C: United States Code)
  合衆国法典。米国の全分野の現行法律をひとつの法典に再編集して、編・章・条・項などを新たに付与したもの。
35 U.S.C. ~:合衆国法典35巻。特許法~条を意味する (以下、~条と表記する))
(CFR: Code of Federal Regulations)
  米国政府印刷局(GPO)発行。Federal Register で公示された連邦機関の規則を、機関別に編纂した規則集。施行規則に該当する。 
  Ex:37 CFR 1.51(b): “Title 37, Section 1.51(b)” (特許施行規則 第1.51条(b))
(MPEP:Manual of Patent Examining Procedure)
 米国特許商標庁の審査基準・便覧。  
(AIA:America Invents Act)
  改正特許法。AIA法。2011年施行。

【項目】

1.出願人2.出願言語3.出願の種類4.出願書面5.出願日の認定
6.発明の保護対象7.特許対象外8.情報開示陳述書9.出願に関する料金10.出願審査請求制度
11.出願公開制度12.先発明者先願主義13.新規性14.新規性喪失の例外15.譲受人による出願
16.発明者の宣誓書 ・宣言書 17.非自明性 18.明細書記載要件 19.ベストモード 要件 20.クレーム記載要件
21.拒絶理由通知 22.クエイル指令23.最後の拒絶理由通知24.アドバイザリー アクション25.限定・選択要求
26.補正27.出願公開制度28.優先権主張出願29.継続審査請求30.2か月ルール
31.AFCP 2.032.最終拒絶通知への対応33.早期審査等34.日米協同調査試行プログラム35.審査の繰り上げ
36.特許料の納付時期と権利維持に必要な料金37.特許権の存続期間と起算日38.真の発明者決定手続39.審判40.理由補充前協議試行プログラム
41.ターミナルディスクレーマー42.付与前情報提供43.特許付与後レビュー44.当事者系レビュー45.補充審査
46.再発行出願 47.査定系再審査48.権利化後対応のまとめ49.審決取消訴訟50.実用新案制度
51.加盟している条約





1.出願人
(111 条(a)(1)、118条) 

   発明者及びその承継人(自然人、法人)
2.出願言語 (37 CFR 1.52(b),(d))
   原則として英語。英語以外の言語でも出願した場合は、補充指令通知から2カ月以内に
  英語翻訳文を追補しなければならない。

3.出願の種類
 (1) 仮出願 (PA:Provisional Application) (111条(b))
    仮出願とは、通常の特許出願の要件を満たさない簡易な形式による出願をいう。
   我が国の国内優先権主張出願に相当する。

    ・明細書 :必要
    ・クレーム:明細書に含まなくてもよい(111条(b)(2))。
         (2013年12月18日の特許法条約(PLT)批准に伴う規則改正による)
    ・図面 :提出不要(2013年37 CFR改正)。なお、仮出願後は、明細書の補正ができない。
    ・言語 :日本語でも可能。
    ・翻訳文:提出不要。仮出願の出願日から12ヵ月以内に、仮出願に基づく利益を主張して
         正規の出願を行うことで、
仮出願の日を最先の出願日にすることができる。
          なお、仮出願の後に通常の出願を行う際に、仮出願が特許商標庁に係属
         している必要はない。
          仮出願から通常出願に変更する場合には、仮出願の係属が要件となる。
          12か月の間、通常出願若しくは変更出願が要求されない場合には、
         仮出願は放棄したものとみなされる。

    ・宣誓書または宣言書:提出の必要はない。
         なお、米国ではこの仮出願の制度があるため、国内優先権主張出願制度はない。
         仮出願費用も安く、メリットも多いため、広く用いられている。
(2) 分割出願 (D A : Divisional Application) (121条)
    分割出願とは、先の出願に開示された発明の一部を別途権利化するために行う出願をいう。
    ・可能可能時期 :親出願の特許証発行前まで、または、親出願の放棄もしくは手続終了の前まで。
    ・内容の制限:親出願に開示された範囲内のみ可能 (新規事項追加は不可)
    ・効果    :分割前出願(原出願)に係る出願日の利益を有する
(3) 継続出願 (CA:Continuation Application)
    継続出願とは、先の出願が最終拒絶された場合に、再度審査官に出願内容を審査してもらう
   ために行う出願のことをいう。

    ・出願可能時期:親出願に対する特許付与、または、親出願の放棄もしくは手続終了の前、
              すなわち、親出願が
特許庁に係属しているとき。
    ・内容の制限:親出願に開示された範囲内でのみ可能 (新規事項追加は不可)  
              この継続出願をした場合、
特許期間調整(Patent Term Adjustment: PTA)
              のための溜まっていた期間が喪失するというデメリットがある。

              そのため、最終状態(finality)を解消するために、継続審査要求(RCE)が用いられることが多い。
(4) 一部継続出願 (CIP:Continuation-in-Part Application)

    一部継続出願とは、元の特許出願を基礎として、元の出願に開示されていなかった新たな
    技術的事項(new matter)
を追加する出願のことをいう(日本の国内優先権主張出願に近い出願形式)。
    出願後の補正では認められない実施例等の追加が必要となった場合に用いる。
   ・可能時期 :親出願が特許庁に継続している間、または、親出願の放棄もしくは手続終了の前。
   ・内容の制限:親出願に開示された範囲を超えて追加することができる。
             ただし、追加された部分については、有効出願日は当該一部継続出願の出願日となる。
    ・効果 :元と出願に記載された内容については、原出願日で特許要件が判断される。

(         追加した内容については、一部継続出願の出願日に基づいて特許要件が判断される。
     なお、原出願は、優先権主張出願のような取り下げはされない。
(5) 変更出願

     出願日から1年以内に正規の出願から仮出願への変更が可能。継続出願することにより、
    特許出願から意匠特許出願への変更が可能

4.出願書面
(1) 特許出願の際に提出する書類および手続
   ・明細書 (specification) (112条)
   ・図面 (drawings) (113条, 37 CFR 1.81-85)
   ・宣誓書または宣言書 (oath or declaration) (115条, 37 CFR 1.63, 1.68)
     「宣誓書」は表記された発明者が原発明者(original inventor)であると信じる等を述べる
    ものであり(37 CFR 1.63(a)(3))、公証人等の前で宣誓して署名することにより作成される。

     「宣言書」は宣誓なしに作成される。宣言書のみの様式もあるが、宣言書と譲渡書を組み合わせた
    フォームを使用することも可能である(37 CFR 1.63(e))。

     共同発明の場合には、複数の発明者が別々の宣言書にサインすることもできる(MPEP §602.08(b))。
   ・出願料 (filing fee) (37 CFR 1.16)
(2) 連絡用書類 (37 CFR 1.77(a))
     特許商標庁に対する連絡事項をまとめた、以下の書類を添えることができる。
  ① 出願送付票 (Utility Patent Application Transmittal)
     各出願書類のチェックリストの役割を果たす用紙
  ② 料金送付票 (Fee Transmittal)
     出願料を計算するための用紙
  ③ 出願データシート (ADS:Application Data Sheet)
     出願に関する書誌情報をまとめたものであり、提出は任意である(37 CFR 1.76(a))。
     ただし、優先権主張を伴う出願、継続性のある出願、譲受人等が出願人となる出願については、
    出願データシートの提出は必須となる(37 CFR 1.76(a))。

     この出願データシートの書誌情報は、以下の通り(37 CFR 1.76(b))。
    (a)発明者情報 (Inventor Information)
    (b)連絡先情報 (Correspondence Information)
    (c)出願情報 (Application Information)
    (d)代理人情報 (Representative Information)
    (e)優先権情報 (Domestic Priority Information、Foreign Priority Information)
    (f)出願人情報 (Applicant Information)
       外国出願の優先権を主張する場合には、この出願データシートにおける意思表示が
      必要となる(37 CFR 1.55(d)(1))。

 (3) その他の書面
     上記の書類以外に、必要に応じて下記の書面を提出することができる。
  ① 委任状 (Power of Attorney or Authorization of Agent) (37 CFR 1.34(b))
     出願人が代理人に対して代理権を委譲したことを示す書面。
     特許商標庁に対する手続は、代理人により行うことができる。
     そのためには、手続きの代理権を有することを示す「委任状」を提出しておく必要がある
     (37 CFR 1.34(b))。

     なお、特許出願について代理人となり得るのは、原則として特許弁護士(Patent Attorney)、
    または弁理士(Patent Agent)に限られる。何れかの州の弁護士(Attorney)で
    あって弁理士試験(Registration Examination/Patent Bar Exam)に合格した者は特許弁護士
    として、また、弁護士でない者であって弁理士試験に合格した者は弁理士として、特許商標庁に
    登録できる(37 CFR 10.6)。

     米国民以外の米国居住者(resident alien)の場合は、特定された案件のみについて手続が
    認められる(limited recognition)ことがある(37 CFR 10.9)。

   ② 譲渡証 (Assignment) (37 CFR 3.11(a))
       特許出願に係る権利(または特許権)が第三者に譲渡された事実を証明する書面。特許出願に
   係る権利(または特許権)を第三者に譲渡することはできる(261条, 37 CFR 1.46, 37 CFR 3.1)。

       特許商標庁に提出された譲渡証は、登記(recordation)される(37 CFR 3.11(a))。
       特許商標庁は譲渡の有効性について決定する権限はないが、譲渡証が提出された場合には譲渡が
   有効に行われたものとして取り扱う(MPEP §317.02)。

     譲渡証は、当事者(譲渡人および譲受人)が住所(所在地)および氏名(名称)により特定され、
   譲渡対象が発明の名称などにより特定される。

     また、英語以外の言語により作成された譲渡証が登記されるためには、英語による翻訳文の添付が
   必要である(37 CFR 3.26)。

     なお、従業員が特許出願に係る権利を雇用者に譲渡することなく特許を受けた場合、雇用者には無償の
  実施権(shop right)が
判例上認められているが、その成否について争いを生じることがあり、雇用者としては
  予め従業員に「譲渡証」を提出させておくべきである。

5.出願日の認定
   原則、明細書が特許商標庁に提出された日(37 CFR 1.53(b))。
   出願時にクレームが含まれていない場合には、追加料金の支払いを条件に補充の機会が
  与えられる(37 CFR 1.53(f), 1.16(f))。

   また、出願時に宣誓書または宣言書を提出せず、もしくは出願料を支払わなかった場合には、その旨が
  通知され、指定された期間内に
条件を満たせば出願日を維持することができる(37 CFR 1.53(f)(1))。
   ただし、その場合には追加料金(surcharge; 37 CFR 1.16(e))を
支払わなければならない(37 CFR 1.53(f)(1))。
  指定された期間内に応答しない場合は、放棄されたものとみなされる(111条(a)(4))。

  出願には連絡先(correspondence address)が必要であり、通常は出願データシートに記載される(37 CFR 1.33(a))。
  この連絡先は出願人の自宅住所とは異なっていてもよく、代理人の事務所所在地が記載されるのが
  通例となっている(MPEP §601.01(a))。

  この連絡先がないと上述の書類不備を知らせる通知ができず、出願日を維持するための手続を出願日から3ヶ月以内に
  しなければならない(37 CFR 1.53(f)(2))。
6.発明の保護対象
  ・プロセス(方法)、機械、生産物、組成物の4つが法定の保護対象(101条)。
  ・保護対象外

     抽象的なアイデア(Abstract idea)、自然法則、自然現象、天然物そのもの(ゲノムDNAや単体の元素、
   自然に存在する微生物等)、コンピュータ・プログラム
 ・医療方法は保護対象

   なお、医療方法についての特許権は、原則として医師等の医療行為には及ばない(287条)。
7.特許対象外(AIA法、原子力法)

  (1) 人間である有機体を対象としているか、又は包含している発明 (AIA法第33条(a)) 。

   (2) 方法、器具、技術、コンピュータ・プログラム又はシステムであって、租税返却又は情報返報その他の
        租税申請の作成にのみ使用される発明、
及び財務管理のためのみに使用される発明 (AIA法第14条(c)) 。
   (3) 原子力兵器における特殊な核物質又は原子力の利用においてのみ有用な発明、発見 (原子力法第151条(a) )。
8.情報開示陳述書(IDS (Information Disclosure Statement))
(37 CFR 1.56(a))。  

   「特許出願またはその手続に実質的に関与する者」は、特許性に関する全ての「重要な情報」を開示する義務を負う。
   この開示義務を果たすために、情報開示陳述書(IDS)を提出しなければならない。 
  特許出願またはその手続に実質的に関与する者
    出願に記名されている発明者・譲受人・代理人、出願準備又は手続の遂行に実質的に関与しており、
   また、発明者、譲受人又は
出願譲渡義務の対象である者に関係している他の全ての者。したがって、
   日本の代理人等もIDS履行義務を有する(MPEP §2001.01)。

 (1)「重要な情報」(information material to patentability)
   過去に提出された情報で累積的(cumulative)ではなく、特許性の判断に影響する拒絶理由に
  該当するものや、
出願人が米国特許商標庁で行った主張と矛盾する情報を指す(37 CFR 1.56(b))。
   特許公報や刊行物、明細書に記載した文献、引用文献、優先権主張の基礎出願や米国以外の
  他国でのオフィスアクションや引用文献、
PCT国際調査報告書とその引用文献といった先行技術に限られず、
  先に行われた使用、販売、販売の申し出、知得、他人による先発明、
発明者の不一致などに関する情報
  も含む(MPEP §2001.04)。

   開示対象の情報の出所は限定されず、対応外国出願について引用された先行技術、関連する米国出願
  に関する情報、
関連する訴訟において得られた情報などは全て開示対象になる(MPEP §2001.06)。
   従って、例えば対応する日本の特許出願について拒絶理由通知などを受け取った場合、そこで引用された
  先行技術文献はすみやかに開示しなければならない。

(2) 開示義務を負う期間と手続き
  IDSは、その提出時期によって必要な手続が異なる(37 CFR 1.97)。
  この開示義務を怠った場合、特許は認められず、また、不衡平行為(inequitable conduct)があったとして、
 全てのクレームが
権利行使が不能となる(MPEP §2016)。
  なお、IDSの各提出時期の延長はない(37 CFR 1.97(f))。
  ① 出願の際
   出願前に知っている情報を提出する。
  ② 出願後~最初のオフィスアクション(OA)等(③)まで
   対応外国出願の審査状況により出願後に新たに情報が発生する場合があるので、その場合には速やかに手続を行う。
   無料でIDSを提出できる。
  ③ 出願日(国際出願の場合は国内段階移行日)から3ヶ月以内、または最初のオフィスアクション
   (RCEをした場合には
RCE後の最初の実体的拒絶通知)までのうち何れか遅い方~最終拒絶通知(OA)
   または許可通知の何れか早い方まで   

     陳述書(statement)(37 CFR 1.97(e))又は提出料(37 CFR 1.17(p)の何れかが必要となる。
     ここにいう陳述書とは、
外国で最初に引用されてから3ヶ月以内に提出したこと、または、それを知ってから
    3ヶ月以内に提出したことを陳述するものをいう(37 CFR 1.97(e))。

     この陳述書を提出すれば無料でIDSを提出できるが、外国で最初に引用されてから3ヶ月を経過している等
    のために陳述書を
作成できない場合には、提出料(37 CFR 1.17(p))を支払うことにより、
    することができる(37 CFR 1.97(c))。

  ④ 最終拒絶通知(OA)または許可通知の何れか早い方~特許発行料支払いまで
    陳述書(37 CFR 1.97(e))及び提出料(37 CFR 1.17(p))が両方が必要となる(37 CFR 1.97(d))。
    従って、外国で最初に
引用されてから3ヶ月を経過している等のために陳述書を作成できない場合には、
    継続出願または継続審査要求(RCE)をすることになる。

  ⑤ その後、特許発行料支払いまで
     特許発行までの間であれば、継続出願を請求することができる(MPEP §211.01(b))。
     一方、特許発行料納付後は継続審査要求(RCE)を行うことができないので(37 CFR 1.114(a))、
    継続審査要求(RCE)をする場合には、発行の取下げを求める請願書(37 CFR 1.313)を
   提出する必要がある(MPEP §609.04(b))。

  ⑥ 特許発行後
     特許発行後にはIDSの提出義務はない(MPEP §2001.04)。
     特許発行後に発見された先行技術を包袋に入れておきたい場合には、先行技術を提供
      (Citations of Prior Art)(37 CFR 1.501)
することができる。
        但し、特許発行前に提出すべきであった先行技術については、通常の査定系再審査や再発行出願では
      開示義務違反を治癒
できないため(MPEP §2012)、補充審査(Supplemental Examination)の利用を
     検討すべきである(257条)。

(3) IDSによる開示義務の適否
     開示対象である情報の「重要性」(materiality)と出願人による「欺く意図」(intent to deceive)を、明確で説得力のある
証拠(clear and convincing evidence)により立証する必要がある。これにより、不衡平行為が認定される基準が従前よりも高くなり、
不衡平行為が認定され難くなった。
(4) 提出書類
  ① IDSを提出するためには、以下の書面が必要になる(37 CFR 1.98(a))。
    ・各文献等のリスト(37 CFR 1.98(a)(1))
    ・各文献等のコピー(37 CFR 1.98(a)(2))
    ・英語以外の場合、英訳を所持等していればそのコピー(37 CFR 1.98(a)(3)(ii))
    ・英語以外の場合、関連性についての簡潔な説明(37 CFR 1.98(a)(3)(i))
  ②「各文献等のリスト」 以下をそれぞれ記載する(37 CFR 1.98(b)(1)-(3))。
    (a)米国特許公報について :発明者、特許番号および発行日
    (b)米国特許出願公報について :出願人、公開番号および公開日
    (c)米国特許出願について   :発明者、出願番号および出願日
  ③ 外国特許またはその公報
    国名、文書番号および公開日を記載する(37 CFR 1.98(b)(4))。
  ④ 出版物
   発行者、著者、題名、関連ページ、発行日および発行場所を記載する(37 CFR 1.98(b)(5))。
  ⑤ 英語以外の文献について
   1) 完全な英訳を提出した場合
    「関連性についての簡潔な説明」は不要(MPEP §609.04(a) III.)。
   2) 完全な英訳を提出しない場合
    その文献の英語による要約や、対応外国出願の英語によるサーチレポート等の評価を提出することにより代用が可能。
    従って、対応する日本の特許出願の拒絶理由通知等で引用された日本語の公報を提出する際、出願人の判断により、
     (a) 完全な英訳を作成する
     (b)「関連性についての簡潔な説明」を作成する
     (c) 日本の特許庁が提供する英文要約を利用する
     (d) 拒絶理由通知の英訳を作成する
   のうち、いずれかを選択なければならない。
   万全を期すためには完全な英訳を作成することが望ましいが、企業における業務遂行上、全ての案件にそのような実務
     を適用することが
現実的に困難な場合には、特許商標庁を欺く意図がないことの裏付けとして、当該企業における誠実
     かつ現実的と考えられる実務手順を
定めておくことが重要となる。 
   米国特許および米国特許出願に関する「各文献等のコピー」の提出は不要となった(37 CFR 1.98(a)(2))。
(5) QPIDS (Quick Path Information Disclosure Statement)
   特許発行料(issue fee) 納付後にIDSの提出が必要となった場合に利用する。
   審査官は、提出されたIDSを検討し、特許性に影響を与える情報が含まれていないと判断した場合に、
   特許査定が維持される。 

   なお、提出されたIDSを審査官が検討する際に継続審査請求(RCE)を行う要件は、QPIDS導入により
  廃止された。

   2012年5月16日に開始され、これまで試行期間が毎年延長されてきたが、現在はパイロットプログラムから
  正規のプログラムに変更されている。

   特許発行料納付後にIDSを提出する場合には、積極的に利用を検討すべきである。
9.出願に関する料金(最新の料金についてはUSPTOのウェブサイト等で確認のこと)

   ・出願費用: 320ドル(独立クレーム3つ、クレーム数20まで)
       クレーム超過加算:クレーム数が20を越えた場合、越えたクレーム数毎に100ドルの加算
       独立クレームが超過加算:クレームが4つ以上の場合、超過クレーム数毎
       マルチ従属クレームがある場合:860ドルの加算
       出願書類が100ページを超えた場合、50ページ毎に420ドルの加算

  ・調査料 : 700ドル(出願時に必要)
  ・審査手数料: 800ドル(出願時に必要)
 ・IDS提出費 : 260ドル
10.出願審査請求制度
   なし。全ての出願が審査の対象。
11.出願公開制度 (122条(b))
(1)公開時期
① 米国出願日から18か月経過後又は最先の優先日(米国以外の国・地域を第1国として出願した場合)から18か月経過後に公開される(122条(b)(1)(A))。
② 継続出願も、最先の出願日から18か月後に公開される。
③ 早期公開制度 (122条(b)(1)(A)、37 CFR 1.219)
出願人の請求により、18か月以前に公開させることができる。
(2)非公開 (122条(b)(2)(A) (B)、37 CFR 1.219)
① 公開時期に出願が継続していない出願、仮出願、
秘密命令対象出願(181条)、デザイン出願(design patent application)
② 米国のみに出願した場合であって、特許出願時に非公開を請求した出願
(請求の取り下げはいつでも可能(37 CFR 1.213(a)(b))
③ 再発行出願(37 CFR 1.211)
(3) 公開庁費用
2014年1月1日より無料。
(4)仮保護の権利 (provisional rights)(154条(d))
    仮保護の権利とは、出願公開から特許付与間で、公開されたクレームと実質的に同一な内容での他人の実施に対し、合理的な実施料(reasonable royalty)を請求できる権利のことをいい、日本の補償金請求権に相当するものである。
仮保護の権利の行使が可能な時期は、特許発行後である。
  ① 提供条件者に対する実際の警告(actual notice)が必

  1)米国での出願公開又は、国際公開(PCT)がなされていること (154条(d)(1))
 2)被疑侵害者が公開済みの特許出願について実際に知っていること(154条(d)(1)(B))
 3)公開されたクレームと特許されたクレームが実質的に同一であること(154条(d)(2))
 4)特許発行後6年以内に行使をすること(154条(d)(3))
   (補償金請求権は特許権設定登録後3年間(民法709条)被疑   ② 被疑侵害者に対する実際の警告(actual notice)が必要
12.先発明者先願主義 (First inventor to file)

    2013年3月16日以降の出願日又は優先日を有する特許出願には、先発明者先願主義が適用される。
  ・先発明者先願主義
   原則として同一発明について、最先の出願人が特許権を取得できる。

  さらに、発明者A又は共同発明者A‘が発明を公表(disclosure)し、その公表日から1年以内に特許出願すれば、その1年間の間に第三者Bが同様の発明を開示しても、発明者A又は共同発明者A‘は、特許権を取得することができる。
 日本では、この場合、出願は拒絶理由となることに注意。
13.新規性 (102条)
   新規性は世界基準(世界公知)、先願主義に改正された。
以下に該当する場合以外、発明は特許を受ける権利を有する。
(1) 先行技術が存在している場合 (102条(a)(1))
先行技術:クレーム発明が、有効出願日(出願日又は優先日)以前に、特許にされている、刊行物に記載されている、
公然に使用されている、販売されている、その他公衆に利用可能な場合。
(2) 他の発明者によって同一発明の先願がある場合 (102条(a)(2))
先行技術:特許又は出願公開された特許出願にクレーム発明が記載され、当該特許又は特許出願には別の発明者が
記載され、その出願はクレーム発明の有効出願日より前に出願がされている場合。 (他の発明者によって同一発明が有効出願日より前に先に出願されており、且つ当該先の出願の
            同一発明についての特許が発行されるか、出願公開された場合)    (3) 有効出願日(先行技術として認められる特許と公開公報の新規性判断日)の決定 (102条(d))
・特許又は特許出願の実際の出願日 (102条(d)(1))
・ただし、優先権を主張する場合、又は、先の出願日の利益を主張する資格を有する場合 (120条、121条、365条(c))には、
最先の出願日(102条(d)(2))。

(なお、有効出願日におけるヒルマー・ドクトリンは、2011年の特許法改正で廃止された。ヒルマー・ドクトリンとは,
      外国での出願を基礎として米国で出願した特許出願が他の特許出願の先行技術となりうるか否かを決定する際、
      優先日として主張した外国の出願日を基準にしてはならないというもの。即ち,米国での出願日を基準とする論理。 )
14.新規性喪失の例外 (Grace period)
(102条(b))

   (1) 第102 条(a)(1)の例外(102 条(b)(1))
        クレーム発明の有効出願日までの1 年間以内になされた開示は、以下の場合には、102条(a)(1)にいう先行技術とはならない(新規性を有する)。
     (A) 開示が、発明者であっても、共同発明者や発明者、共同発明者から直接的・間接的に開示された「発明の主題(subject matter)」を取得した者(以下、「発明者等」という)が開示した場合(102 条(b)(1)(A))
        グレースピリオド内の発明者等による開示は、102条(a)(1)の先行技術とはならないとする規定。

      (B) クレームされた発明の有効出願日前の1年以内に開示された主題が、その開示前に、発明者等により公表されていた場合(102 条(b)(1)(B))
      発明者等が、公表(Publicly Disclosed)することにより、公表から出願の間に行われた他人による開示(disclosure)を先行技術から排除する規定。
       先行技術から排除される「開示」は、グレースピリオド内に行われたものであり、かつ発明者等による「公表後」になされたものが対象になる。
       (公表を行った場合、米国以外の国では、新規性喪失の例外の適用を受けられな くなる可能性があるため、出願前の積極的な公表には注意が必要)。          

(2) 第102 条(a)(2)の例外(102 条(b)(2))
発明者等から入手した発明の主題を開示する先願を、先行技術から除外。
以下のいずれかに該当する場合、開示は先行技術に当たらない。
(A) 先願に開示された発明の主題が,発明者又は共同発明者から直接的又は間接的に取得された場合(102 条(b)(2)(A))
第三者が、発明者の発明の主題を取得して発明者の出願前に出願しても、第三者の特許出願は発明者における先行技術とはならない。
発明者等から入手した発明の主題を開示する出願を、先行技術から除外する規定。

(B)先行技術と同じ「発明の主題」が公表(publicly disclosed)された場合 (102 条(b)(2)(B))
発明者等による先公表後における他人による先願を先行技術から除外する規定。
公表から出願までの先願を、先行技術から排除する。

(C) 先願に開示された発明の主題とクレーム発明が、その有効出願日以前に同一人によって所有されていたか、
同一人に譲渡すべき義務を課せられている場合 (102 条(b)(2)(C))
   先願と後願の譲受人が同じ場合の先願を、先行技術から除外する規定。
   所有者の共通性の判断時点は、出願の有効出願日。
  所有者が共通する特許は、第102 条(a)(2)に基づく新規性と自明性とのいずれに関しても先行技術から排除される。
したがって理論的には、企業Aは、企業Bから米国特許出願に関する権利を取得することが可能であり、その場合、
この企業Bの米国特許出願は、第102 条(a)(2)に関してその後の企業Aの特許出願に対する先行技術とはならない。

15.譲受人による出願
   発明者でなくても、特許を受ける権利の譲受人(企業等)は特許出願人になることができる。
譲渡書の提出は必須ではない。
企業等が出願人となる場合、委任状(Power of Attorney)は発明者ではなく、
企業(代表権限を有する者)がサインする必要がある。
16.発明者の宣誓書 (Oath)、宣言書 (Declaration) (115条(d)(2))(37 CFR 1.64)
(1) 提出期限
特許発行料(Issue Fee)支払い前まで。実務上は出願時に宣誓書等を提出しておく。
(2) 代替供述書の提出
発明者が以下の(i)~(iv)の場合、特許商標庁長官の許可により出願人は宣誓書、宣言書の代わりに
代替供述書の提出ができる。
(i) 死亡
(ii) 法的無能力者
(iii) 適切な努力をしたにもかかわらず発見されない/連絡できない
(iv) 発明を譲渡する義務を有する者が宣誓書、宣言書の作成を断った

(3) 宣誓書などが未提出の場合
    特許出願が許可査定可能な状態であるが宣誓書等が未提出の場合、 出願人は特許許可(Notice of Allowability)通知の際に、書類の不足に関する通知を受ける。
出願人は、issue feeの支払いまで(※延長不可)に提出しなければならない。
指定期間内に提出されなければ、その特許出願は放棄したとみなされる (37 CFR 1.53 (f)(1),(3) )。
17.非自明性 (103条) (日本の進歩性に該当)
  出願に係るクレームに記載された発明(クレーム発明)と先行技術が、クレーム発明が属する分野における当業者
にとって、その有効出願日前の時点でクレーム発明が全体として自明であるような差異の場合には、自明性が無いとして、
そのクレーム発明は特許を取得することはできない。
    非自明性を判断する時間的基準は、「クレーム発明の有効出願日」となる。


     (a) 先に出願され後に公開された全ての米国特許出願を、最先の有効出願日(非米国優先日を含む) の時点での
先行技術とすること、及び、
     (b) 世界中のいかなる場所での「公の使用」及び「販売」活動も技術水準の一部となることから、自明性分析に利用可能な
先行技術の範囲及び内容が著しく拡張されている。このため,自明性の判断基準は高くなっている。
18.明細書記載要件 (112条(a))

   明細書は、その発明の属する技術分野又はその発明と極めて近い関係にある技術分野において知識を有する者がその発明を製造し、使用することができる完全、明瞭、簡潔かつ正確な用語によって、発明並びにその発明を製造,使用する手法及び方法の説明を含まなければならず、また、発明者又は共同発明者が考える発明実施のベストモードを記載していなければならない。
    ① 発明の記述要件(サポート要件)
    ② 実施可能要件

    ③ ベストモード要件
      (ただし当該要件違反は、AIAにより仮出願の優先権発生要件、継続出願の優先権発生要件、無効理由、
      権利行使理由から除外されている(119条(e)、120条、282条(3))
    ④ 明確性要件
19.ベストモード (最良実施態様)要件
(MPEP §2165)

   最良の態様を隠匿して次善の態様のみを開示することを禁止するものである。
   要件 (MPEP §2165.03)
    [主観的問題の認定]
      出願時に発明者が発明を実施するための最良実施態様を知っていたか
    [客観的問題の認定]
      当業者が実施できる程度に最良実施態様が記述されていたか

   出願時に発明者が最良実施態様を知らなかった、または、最良実施態様であることを認識していなかった場合には、
最良実施態様要件違反とはならない。
   また、本要件違反とされるには積極的隠蔽もしくは著しく不公正な行為というレベルに至る必要はない。
20.クレーム記載要件 
(112条(b))

   明細書は、発明者又は共同発明者が発明とみなす主題を特定し,明白にクレームする1又は2以上のクレームで
終わらなければならない。

    なお、マルチのマルチクレーム記載は認めない。即ち、複数クレームを引用する複数のクレームを引用する記載は
することができない。
    日本ではマルチのマルチクレーム記載は可能であるので、日本と米国双方に出願する場合には、クレームの記載に
注意が必要となる。
21.拒絶理由通知 (Office Action:OA)
 (132条、133条)

   実体審査の要件を満たさないと判断された場合、拒絶理由通知が発行される。
拒絶理由通知の応答期間内(いずれかの処分が出願人に通知又は郵送された後6月以内、又は長官が当該処分
において指示する30日以上のより短い期間内)に応答しなかった場合は、その出願は当事者によって放棄されたものとみなされる。ただし,当該応答遅延が避けられないものであったことを長官が認めるよう証明がなされたときは、その限りではない。

      応答期間は、1カ月単位で、最大3カ月延長することができる。
      応答期間の延長は、事前の申請は不要であり、応答時に延長する期間に応じた手数料を支払う。
     出願再審査(132条(a))
      出願人は、拒絶理由通知を受領した後、特許を求めるクレームを補正し又は補正せずに持続するときは、

      その出願は再審査される。補正によって、発明の開示に新規事項を追加することはできない。
22.クエイル指令 (Quayle Action)
(MPEP §714.14)

   拒絶理由通知の一種で、形式的な不備のみを通知するものをいう。形式的な不備とは、例えば、クレーム中における
”a”と”the”の誤記等である。
   応答期限は、本状の郵送日から 2カ月。ただし、手数料を支払うことにより、最大6か月まで延長することができる。

23.最後の拒絶理由通知 ファイナル アクション (Final Office Action)
   2度目の拒絶理由は、原則最期の拒絶理由となる。
   従来技術に係る拒絶理由、記載不備に係る拒絶理由(112条、第2パラグラフ以下の拒絶理由)を回避する補正をしたが、審査官が新たな拒絶理由を認定した場合は、最期の拒絶理由が通知される。
   したがって、出願人のクレームについての補正によって通知する必要が生じたものでない場合、37 CFR 1.97(c)に記載
されている期間内に情報開示陳述書(IDS)によって提出された文献に基づいていないものを導入する場合は、最後の
拒絶理由とならない(MPEP §706.07(a))。
   最期の拒絶理由通知で認められる補正とは、
       ・ クレームの削除
       ・ 方式的な不備を解消するための補正
       ・ 審判請求後の審理に備えて、より良い形でクレームを記載したほうが良いとされる場合
       ・ その補正が必要であること、及びその補正をそれより前に提示しなかったことの正当かつ十分な理由が証明された場合
であって、新規事項(new matter)を追加する補正は認められない(132条, 37 CFR 1.121(f))。
また、新たな争点(new issue)を提起する補正も認められない(37 CFR 1.116(c))。

   新たな争点とは、補正前のクレームには記載されていない新たな特徴であって、更なる調査が必要となる特徴をいう。
応答期間内に最後の拒絶理由通知に応答しなかった場合は、出願を放棄したものとみなされる。補正要件を満たさなかった場合には、アドバイザリー アクションが通知される。
24.アドバイザリー アクション (Advisory Action)
 (MPEP §714.13)

  アドバイザリー アクションとは、最後の拒絶理由通知(Final Office Action)に対して行った応答に対し、審査官が依然として特許とならないと判断した場合に通知される審査官から発せられる意見通知のことをいう。
   出願人は、アドバイザリー アクションを受け取ることで、最後の拒絶理由通知の応答時に行った補正が却下されたか否かを確認できる。
   アドバイザリー アクションを受け取ったまま、最後の拒絶理由通知が発行された日から6カ月を経過した場合、出願を放棄したものとみなされる。

   アドバイザリー アクションは、日本でいう拒絶査定に相当する。しかし、日本と異なり米国では継続審査請求(RCE)を行い、かつ3か月以内に予備補正をする(37 CFR 1.115)ことによって、または、RCEと同時に補正を行うことによって
(37 CFR 1.1148(c))、審査に継続させることができる。
25.限定・選択要求

   (1) 限定要求 (Restriction Requirement) (37 CFR 1.142(a))
      限定要求とは、一つの出願中に2以上の独立した区別可能な発明が含まれている場合に、
    審査官が出願人に対して発明を選択してクレームを限定するよう要求することをいう。

     「独立」(independent)とは、各々何らの関係も開示されていないことを意味する(MPEP §802.01)。
   例えば、ある処理において一緒に使われない方法と装置が該当する。

     「区別可能」(distinct)とは、関係はあるが別々に製造、使用、販売でき、さらに互いに
  特許性(新規かつ非自明)があることを意味する(MPEP §802.01)。
   例えば、方法が他の装置でも実施できる場合や、装置が他の方法をも実施できる場合が該当する。

     審査官は、クレームをグループ分けして、何れかのグループを選択するよう要求する。
     この限定要求は、通常は実体的拒絶通知の前(サーチ前)に行われる。
     この限定要求に対して、出願人は審査対象として1つの発明を選択する(MPEP §818)。
   選択されなかった発明は取り下げられる(37 CFR 1.142(b))。

    出願人は、限定要求が不当と判断した場合でも応答の際に1つの発明を仮選択(provisional election)
  しなければならない(MPEP §818.03(b))。

     その応答の際には、限定要求の正当性を否認するか(with traverse)、否認しないか(without traverse)を明示する。
   (2) 選択要求 (Election of Species Requirement) (37 CFR 1.146)
       一つの出願に一つの属(genus/generic)クレームとそれに包含される複数の種(species)とが含まれている場合に、
    属クレームが許可されないときに備えて審査官が出願人に対して予め種を選択(elect)するよう要求することをいう。

      通常、種は各実施例に対応し、属クレームは複数の実施例により定義される発明の範囲を含む。
     合理的な数以上の種を含む場合には、審査官は選択要求を行う前に合理的な数の種をクレームするよう要求
  することができる(MPEP §806.04(e))。

     この選択要求がされた場合には、出願人は、図面や実施例に基づいて種とクレームとの対応を明確にした上で、
   一つの種を選択しなければならない。また、選択後にクレームを追加する場合には、出願人は、何れの種に属するもの
  であるかを示さなければならない(MPEP §809.02(a))。

    書面による限定要求を受けた場合、2ヵ月の応答期間が与えられる(1397 Official Gazette 1549)。
  この応答期間は最大5ヶ月まで延長できる(37 CFR 1.136(a)(1))。

 ・限定要求後の手続
     選択されなかった発明は、その出願の審査対象から外される(37 CFR 1.142(b))。
     もし選択されなかった発明についても権利化を希望する場合には、分割出願をすることで審査対象とすることができる。
  この場合、
限定要求に従ってされた分割出願に対して、親出願は拒絶の根拠として引用されない(. 121)。
  例えば、分割出願と親出願との間では、   二重特許(double patenting)の適用はない(MPEP §804.01)。

     なお、選択されなかった発明を補正により復活させることはできない(37 CFR 1.145, MPEP §821.03)。
     これは、RCEを
行った場合も同様である(MPEP §818.02(a))。
26.補正

(1) 補正期間
     ① 最初の拒絶理由通知(First Office Action)を受けるまで原則としていつでも明細書等の補正ができる。
     ② 最初の拒絶理由通知を受けた場合
         当該拒絶理由通知を受けた日から3ヵ月以内(最大6ヵ月まで延長可能)に補正可能。
     ③ 最終拒絶理由通知(Final Office Action)を受けた場合
         最終拒絶理由通知を受けた日から3ヵ月以内(最大6ヵ月まで延長可能)に補正可能。
(2) 補正の制限
     ① 最初の拒絶理由通知を受けるまで明細書等により開示された範囲内で補正可能。
     ② 最初の拒絶理由通知に対して応答する場合
        明細書等により開示された範囲内で補正可能。

    ③ 最終拒絶理由通知に対して応答する場合
         明細書等により開示された範囲内であって、
           ・クレームの削除、
           ・指摘された方式不備の解消、
           ・審判請求のためによりよい形式にする補正、
        のいずれかの場合のみ認められる。
27.出願公開制度
(122条(b)(1))

    特許出願は、最先の出願日(出願日又は優先日)から18ヵ月経過後に公開される。
    ただし、
       ① 国家の安全のために秘密保持命令の対象となっている出願

       ② 仮出願
       ③ 出願人から非公開請求書が提出されている出願等
    は、出願公開されない。
28.優先権主張出願
    パリ条約及びPCTに基づく優先権主張出願が可能。
29.継続審査請求 (RCE:Request for Continued Examination) (132条(b), 37 CFR 1.114)
    継続審査請求(RCE)とは、拒絶の最終状態を解決するための手段であって、同一出願内で審査の継続を求める請求のことをいう。
    可能時期:出願の審査が終了した後で、かつ、特許料の支払い前、特許出願の放棄前、審決に対する出訴前。
    なお、仮出願や再審査の出願はRCEをすることはできない(37 CFR 1.114(e))。
    請求のためには、一定の料金を支払う必要がある。

   請求理由:継続審査請求(RCE)は、最後の拒絶理由通知を受領した後に、更に補正によってクレームに
                 明細書等の開示範囲内で新たな事項を追加したい場合や、アドバイザリー通知を受けて、審査の
                 やり直しを求めたい場合などに請求する。

   また、許可通知が発行された後、知ってから3カ月以上経過した情報をIDSとして提出する場合には、
  継続審査請求をしなければならない。

   なお、2回目のRCEは高額となるため、できればAFCP2.0(The After-Final Consideration Pilot 2.0)を利用する。
30.2か月ルール

   最後の拒絶理由通知(Final Office Action)に対して、応答書(補正書、意見書等の提出)の提出を2か月以内に提出する運用。2か月以内に行うと、延長費用を削減できる場合がある。
   Final Office Actionが発行された場合には、短縮法定応答期間(shortened statutory period for reply)が3ヶ月に設定される。

   Final Office Actionの発送日から2ヶ月以内に最初の応答書を提出したが、3ヶ月の短縮法定応答期間が経過するまでアドバイザリー・アクション(AA :Advisory Action)が審査官から発送されない場合、3ヶ月の短縮法定応答期間は、アドバイザリー・アクションが発送される日に満了し、延長に関する費用は、アドバイザリー・アクションの発送日から計算される。
31.AFCP 2.0 (The After-Final Consideration Pilot 2.0)

  AFCPは、権利化までの審査期間の短縮化を図るために試行されている、最終拒絶通知(Final Rejection)後に出願人がクレーム補正を伴う応答を条件付きで認めるパイロットプログラムのことをいう。
   2012年に1.0、2013年5月に2.0が試行された。
   毎年、AFCP 2.0の終了期限が延長されており、2022年10月時点で、2022年9月30日まで延長される。
   AFCP 2.0を利用後、審査官は補正によって全てのクレームが許可されると判断した場合には特許を許可し、特許を許可できないと判断した場合には出願人にインタビューをリクエストできる。
   AFCP 2.0の結果、特許許可25%、アドバイザリー通知70%、新たな拒絶理由通知や出願放棄が5%程度となっている。
従来
   最終拒絶通知を受けた後は実質的なクレーム補正伴う応答は認められず、意見書による主張をする必要があった。
   しかし、意見書への主張が審査官に受け入れられない場合には、継続審査請求(RCE)を行わなければ特許にすることは
  できなかった。
AFCP 2.0の優位点
   最終拒絶通知(Final Rejection)に対し、再審査請求(RCE)をすることなく特許許可を得られる可能性があり、
  権利化までの審査期間の短縮化が図られている。
   AFCP2.0に対して、審査官は拒絶理由維持の心証がある場合、電話によるインタビューをしなければならず、
  審査官を説得する機会が必ず与えられる。
   AFCP2.0の申請は無料であるが、Final Rejection後3月を経過すると延長費用が発生する。

AFCP 2.0対応に対する注意点
    AFCP2.0においてクレーム補正案、出願人の意見に対する審査官の検討時間は、わずか3時間である。
    そのため、審査官による先行技術調査が再度必要になるような大きなクレーム補正の場合はAFCP2.0利用せず、
   RCEを行うことが賢明。

手続き
   最終拒絶通知(Final Rejection)に対し、AFCP 2.0の利用を申請し、かつFinal Rejectionに対して
    独立クレームを補正することが少なくとも必要となる。

32.最終拒絶通知(Final Office Action)への対応

   最終拒絶通知(Final Office Action)に対して、出願人が対応する手段は以下の通り。
     (1) 審査官との面接の要求
     (2) 2ヶ月ルールを利用して回答を提出する
     (3) AFCP 2.0を利用する
     (4) 継続審査請求(RCE)で回答を提出す

     (5) 不服申立通知を提出すること、またはこれらを組み合わせて提出する
     (6) 理由補充前協議試行プログラム (PABR)を行う
     (7) 放棄する 
33.早期審査等
(1) 特許審査ハイウェイ (PPH:Patent Prosecution Highway Program)(MPEP708.02(c))
    第一国で特許になり得ると判断された特許出願の審査情報に基に、第2国での審査を簡便に行う制度である。
    2008年より日米で本格実施に移行した。現在はPCT-PPH(PCT出願における成果物(国際調査見解書、国債予備審査報告書)に基づくPPH)が2010年1月より及びPPPH MOTTAINAI(最先の出願国でない国の審査結果を第1国の審査結果として利用するPPH)が2011年7月より試行プログラムとして日米等で開始されている。さらに、グローバルPPH(すべてのPPH(PPH、PCT―PPH、PCT MOTTAINAI)を多数国間で利用可能としたPPH)の試行プログラムが2014年1月に開始された。

   なお、PPHの申請に庁費用は発生しない。
(2) 加速審査制度(早期審査制度)(Accelerated Examination) (37 CFR 1.102)
   早期審査制度と呼ばれる場合がある。出願日から12カ月以内に審査を完了させることを目標としている。さらに、費用が安価であることや、オフィスアクションの回数が減るといった利点がある。なお、オフィスアクションに対する応答期間が通常より短く、延長ができないことに留意が必要。また、優先審査には無い補助書面の提出、OA期間が短いなどのデメリットがあるため、優先審査を利用することが多い。
   審査の完了とは、特許許可通知の発送、Final Office Actionの発送、継続審査請求(RCE)の申請、出願の放棄の何れかをいう。
   ① 対象外
      Utility特許と植物特許、意匠と再発行出願(reissue)。
    PCT国際出願からの米国国内移行出願(バイパス継続出願を除く)。
   ② 申請
    出願と同時に行う。
   加速審査補助文書(accelerated examination support document)を出願と同時に提出する。
      出願人の負荷は大きくなる。

   審査審査前調査(preexamination search)がなされた旨の陳述書は、出願と同時に提出する。
 ③ 調査報告書・補助紙面の提出
   出願人は、各クレームの特許性について先行技術調査を行い、先行技術文献をIDSとして提出し加速審査文献
  (AESD:Accelerated Examination Support Document)において、特許性があることを説明する必要がある。

   なお、補助書面は、審査履歴として記録されるため、将来の訴訟の際に権利範囲の限定解釈の理由に
     なってしまう可能性がある。

 ④ 費用  140ドル(37CFR 1.17(h)) 加速審査の請願書として納付する。
 ⑤ 応答
  オフィスアクション(final office action以外)に対し、2か月以内に応答しなければならない。
  応答内容は、オフィスアクションで指摘された事項に限られる(MPEP708.02(a)Ⅳ)。
    応答は、EFS-Webにより提出しなければならない。

 ⑥ 補正制限
  独立クレーム3以下、全クレーム数20以下、マルチ従属クレームを含まないこと。     なお、これを是正する機会は与えられない。
  審査前調査又は最新の加速審査補助文書の範囲外のクレーム補正。
 ⑦ 加速審査請求が認められない場合
     出願は、通常の順番で審査される。
(3)優先審査制度 (Prioritized Patent Examination program)(MPEP708.02(b))
   優先審査制度とは、出願日より12か月以内に審査を完了することを目標とするのもの。
   加速審査制度のように厳格な手続きは要求されないが、費用は高額(4,800ドル)である。
      加速度審査制度より早い審査が期待される。

    ・適用
     本プログラムは、2011年9月26日以降の出願に提供に適用される。
        なお、申請数に年間1万件以内の制限がある。

     原則、出願と同時に申請をしなければならない。RCEされた出願は、RCEと同時又はそのRCE後の1回目
      のオフィスアクションの発行前であれば申請可能。ただしRCE後の申請は1回に限られる
      (37CFR 1.102(e)(1)(2))。

    ・対象制限
    特許と植物特許又はこれらの継続出願であること。意匠と再発行出願(reissue)は制度を利用できない。
    ・クレーム数への制限
   独立クレーム4以内、総クレーム数30以内。マルチ従属クレームを含まいこと。
   ・OA期間
     早期応答義務はないが、延長期間に応答した場合には、優先審査の対象から外される。

    ・優先審査の地位の承継
    RCE、継続出願には引き継がれない。したがって、この場合に優先審査手続きを行う場合には、再度優先審査
     の手続き、庁費用が必要となる点には注意する必要がある。

34.日米協同調査試行プログラム(CSP: Collaborative Search Pilot Program)

    日米両国に特許出願した発明について、日米の特許審査官がそれぞれ調査を実施し、その調査結果及び見解を
   共有した後に、それぞれの特許審査官が、早期かつ同時期に最初の審査結果を送付する、国際的な特許審査の
   取組み試行プログラムである。
     2015年8月1日に開始され、第3期試行を2020年11月1日から2年間行う。
  (1)メリット
     ①  両庁から早期かつ同時期に最初の審査結果が送付されるため、審査・権利取得の時期に関する
         予見性が向上する(両庁において追加手数料は不要)。
     ② 日米の特許審査官の見解が共有されるため、両庁における最初の審査結果において判断が一致する可能性
        が高まり、両庁のFAに対する応答負担が減少し、より強く安定した権利を得ることが可能となる。
     ③ 日本国特許庁の審査官が最初の審査結果において提示した文献(引用文献及び先行技術文献)につき、
       米国特許商標庁への情報開示陳述書(IDS)提出の負担が軽減する。
     ④ 出願人が技術的に関連する一群の出願をまとめて申請した場合、日米両国の審査官は、最初の審査結果を
       同時期に発送することになるため、出願人は同時期に一群の出願の審査結果を得ることが可能となる。
  (2)申請要件
     ① 1出願あたり請求項総数20以内、独立請求項3以内であること。
        PPHには制限がなく、デメリットとなる。
     ② 全ての独立請求項に対し、相手庁において実質的に対応する独立請求項を有する対応出願があること。
        実質的に対応するか否かは、個々の案件毎に判断されるが、日本出願の独立請求項の範囲が米国出願の
       独立請求項の範囲と実質的に同一の範囲を有する場合に「実質的に対応する」とする。
    ③ 審査着手可能な状態であり、かつ、審査着手前であること。ただし、申請時に出願が公開前である場合、
       米国出願の対応する請求項の写しを提出すること。
       「審査着手可能な状態」に関して、申請された案件が着手可能な状態でない場合には、担当者から出願人に
      連絡がされる。
       また、出願人は案件の状態を
         (i) オンライン閲覧請求(有料)
        (ii) 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の閲覧(公開済の出願のみ)
      のいずれかの手段により確認することができる。   
      「審査着手前」とは、「特許庁長官又は特許庁の審査官による以下のいずれかの通知等が到達する前」を意味する。
        ・拒絶理由通知(特許法第50条)
        ・特許査定の謄本(特許法第52条第2項)
        ・明細書における先行技術文献開示義務違反の通知(特許法第48条の7)
        ・同一発明かつ同日出願の場合の協議指令(特許法第39条第6項)
    ④ 対応する独立請求項の最先の優先日が同じであること。
    ⑤ 全ての出願の優先日あるいは出願日のうち、最先の日付が2013年3月16日以降であること。  
    ⑥ 日米協働調査の申請時に審査請求済であること(審査請求と同時に申請可能)。
    ⑦ 申請は、1出願単位で行う。ただし、技術的に関連する一群の出願について、日本に対しては、まとめて申請可能。
      まとめて申請する場合、まとめの上限は5件程度とする。
    ⑧ 事業戦略対応まとめ審査、早期審査及びスーパー早期審査を申請していないこと。
        ただし、申請を取り下げた場合には、日米協働調査の申請可。
    ⑨ 両庁での申請受理(申請が許可された)件数は、400件を上限とする

        RCE後 : 早期審査は継続される。
        PCT国際出願からの米国国内移行出願(バイパス継続出願を除く)は、早期審査対象外。
        優先審査には無い補助書面の提出、OA期間が短いなどのデメリットがあるため、優先審査を利用することが多い。
35.審査の繰り上げ
    次の事項に該当する出願の発明に関しては、審査の繰上げが規定されている。
     (1) 出願の発明に関して、USPTO長官による当該発明に係る庁の業務を迅速にすべきとの有無命令があったとき
     (2) 出願の発明公益事業のある分野にとって特別な重要性を有するとみなされ、政府 の省の長が当該出願の
         即時の処理を要求したとき
     (3) 次の各事項に関する発明の出願について審査の繰上げの申請があり、長官が審査の繰上げを認める証明書
       が提出されたとき
        (a) 出願人の年齢又は健康に特別な理由があるとき
        (b) 発明が環境の質を高めるのに著しく有用であるとき

    (c) 発明がエネルギー資源の開発又は保全に著しく貢献するものであるとき
    (d) 発明がテロ行為に対する反撃に著しく貢献するものであるとき
    (注)上記の(3)項の場合には、追加手数料 US$4,800 の支払いを要する。 (2条(b)(2)(G)、37 CFR 1.102)
36.特許料の納付時期と権利維持に必要な料金(年金)

   (1) 登録料を納付すると4年間権利が維持される
         登録許可通知が出てから3カ月以内に、最初の登録料を納付する。
         特許発行料:1,520ドル(1,200ドル+手数料320ドル)
   (2) その後、特許権を維持するため、3回特許料納付のタイミングがある
         2回目の納付時期:登録日から3~3.5年後の間に納付:2,000ドル

         3回目の納付時期:登録日から7~7.5年後の間に納付:3,760ドル
         4回目の納付時期:登録日から11~11.5年後の間に納付:7,700ドル
  (3) 各期間経過後納付

       各期間経過後6カ月以内であれば、割増料金(通常160ドル)とともに支払うことにより権利を維持することができる。
37.特許権の存続期間と起算日

(1) 1995年6月8日以後の出願
     特許発行日から特許権が発生し、米国出願日(PCT国際出願経由の場合は、国際出願日)から起算
    して最長20年が終了するまで(154条(a)(2))。
(2) 1995年6月8日時点で出願係属中の出願、及び権利係属中のもの
    特許発行日から特許権が発生し、「出願日から20年」又は「特許発行日から17年」のうちいずれか
  遅く終了する期間まで(154条(a)(1))。
     但し、1995年6月8日より前に出願されたものでも、これに基づいて1995年6月8日以降に継続性出願
  (継続出願、一部継続出願、分割出願等)を行った場合には、存続期間は一律に最先の親出願から20年。
    なお、1995年6月8日より前に存続期間が満了しているものは、登録から17年。
(3) 特例
   ① 仮出願に基づく本出願の存続期間の起算日:本出願の出願日
   ② 仮出願を本出願に出願変更した場合の起算日:仮出願の出願日
   ③ 再発行特許権の存続期間:原特許権の存続期間
   ④ ターミナルディスクレーマー特許の存続期間:対象の先願特許の満了日まで
   ⑤ 期間の延長
       連邦食品医薬化粧品法の適用を受ける医薬品、医学機器、食品又は色素添加物、又は
     当該製品を使用もしくは製造する方法についての特許期間は、ある条件の下に延長することができる(156条)
   ⑥ 特許期間調整(PTA)

      2000年5月29日以降に出願された米国特許出願で、当該出願が登録されるまでの間の審査期間中に
    米国特許商標庁(USPTO)の処理に時間がかかった場合には、一定の条件下で特許権の存続期間が延長される。
      存続期間が延長された場合には、特許公報に延長日数が掲載される。
38.真の発明者決定手続 (Derivation) (135条)
(1) 申立人
       特許出願人
(2) 申立理由
       先の出願に記載された発明者が、申立人の出願に記載された発明者から発明を取得し、許可なく出願したことが
   わかる理由を説明する。
     申立ては宣誓され、確かな証拠によるサポートが必要である。
(3) 申立期間
      先の出願の関連クレームが公開あるいは特許許可されてから1年以内に申し立てることが必要。
(4) 決定
      特許審判部が、先の出願に記載された発明者が申立人の出願に記載された発明者から発明を取得し、
  許可なく出願したかどうかを決定する。
     特許審判部は出願又は、特許における発明者の名前を訂正できる。
(5) 和解、仲裁
     同意を示す書面の提出により、和解によって手続を終結することができる。
     長官が規則により定める期間内に、仲裁によって解決することができる。

39.審判(appeal to the board)(134条)
   審判とは、特許公判審判部(PTAB)に対し、審査官がした拒絶可否の再検討を請求することをいう。
 (1)審判請求人
     特許出願人、再審査の場合は特許権者
 (2)審判官
     少なくとも3名の審判官合議体。
 (3)費用
    審判請求時に支払う。なお、appeal brief の際には追加費用の必要はない。したがって、appeal briefで
   拒絶を回避できれば比較的安価で権利化を図ることができる。
    なお、appeal brief後に審判を続行する場合には、審判続行庁費用(appeal forwarding fee)が
   必要となる。
 (4)請求検討
    補正、宣言書の提出は厳しく制限されるため、クレーム補正や事件データの提出を行い場合には、
   審判請求する意味はない。この場合には、RCEや継続出願を行う。
  (5) 請求タイミング
    特許出願のクレームが最低2回の拒絶を受けた場合、若しくは最終拒絶を受けた場合。
   なお、方式的な拒絶(objection)を受けたクレームは審判請求をすることはできず、
   請願(petition)の対象となる。
  (6) 請求期間(37CFR41.31(a))
    オフィスアクション応答期間。原則としてオフィスアクションの日付から3カ月以内。なお、庁費用を払うことにより
   最大を3カ月延長可能(37 CFR 1.136(a))。
    さらに合理的期間の延長規則もある(37 CFR 1.136(b))。なお、アドバイザリーアクションに要した期間は
   請求期間に考慮されないため、この場合、請求期間の徒過には注意が必要となる。
  (7)審判手続き
    ① 提出書面
      審判請求書(notice of appeal)
    ② 審判理由補充書(appeal brief)
     審判請求から、2カ月以内に審判理由補充書を提出しなければならない(37CFR41.37(a),MPEP1205)。
     庁費用を払うことにより、通算5カ月まで延長可能(37CFR41.37(e))。
     審判理由補充書自体に庁費用は不要。
     期間内に審判理由補充書が提出されない場合には、審判請求は却下(dismiss)され(37CFR41.37(b))、
     許可クレームが無ければ出願放棄とされ、許可クレームがあれば許可クレームのみが特許される(MPEP1215.04)。
   ③ 審査官答弁書(examiner’s answer)
     審査官は、2か月以内に答弁書を提出できる(37CFR41.39)。審判請求人は、答弁書に対して2か月以内
    に審判続行庁費用(appeal forwarding fee)を支払わなければならず(37CFR41.45(a))、
    支払わなかった場合は審判請求が却下される(37CFR41.45(b))。
   ④ 弁駁書の提出(reply brief)
    審判請求人は、審査官の答弁書に対し、2か月以内に弁駁書を提出することができる。
  (8) 補正(37CFR41.33(c))
   原則、補正は認められない。

(9)審決(37CFR41.50)
 ① 拒絶の棄却(reverse)(一部棄却、全部棄却)
    全部棄却の場合、自動的に特許となる。一部棄却の場合、審査官が職権補正する、若しくは、出願人に補正指令(MPEP1214.06)。

 ② 拒絶の認容(affirm) (全部認容、一部認容)
    審決の日から2か月以内に特許公判審判部(PTA)に再審理の請求(request for rehearing)を
   行うことができる(37CFR41.52(a))。出訴期間を延ばす手段として用いられることがある。
 ③ 差戻し(remand)
   特許公判審判部(PTA)は、新たな拒絶理由を提起することができる。が通知される。
40.理由補充前協議試行プログラム(PABR:Pre-Appeal Brief Review)(MPEP §1204.02)
   
プレアピールとは、出願人が審判の手続きに入る前(審判理由補充書の提出前)に特許公判審判部(PTAB)において審議される争点(拒絶の法的(legal)および事実的(factual)な根拠として妥当か否かの判断)を、あらかじめ審査部に依頼できる制度である。
  2005年7月12日にパイロットプログラムとして試行が開始されている。審査官の拒絶の瑕疵が明らかな場合に、プレアピールを依頼する。
  なお、このプレアピール自体には、費用は必要とされない。
① アピール要件
  プレアピール(PABR)を利用するためには、審判請求費用、審判請求書(notice of appeal)、
  理由補充前協議の請求書(request)と5ページ以内の請求理由書(Pre-appeal Brief Request
  for review)を提出しなければならない(MPEP 1204.02)。
  なお、この際に、補正書は提出することができない。
② 検討内容
  拒絶拒絶理由が事実の誤認に基づくものか、拒絶を発する上でサポートする根拠が存在していたかにつき、
 担当審査官、担当審査官の上司(supervisory patent examiner (SPE))、また、別のSPEからなる
 審査官の合議による再審議(レビュー)が行われる。なお、出願人はレビューには参加できない。
③ 結論
   45日以内に以下の結論(協議結果通知(notice of panel decision))が出される。
   1)審判続行
      プレアピール(PABR)の請求書が不適法な場合には、PABRの請求は棄却され、請求書を提出し
      なかったものとして取り扱われる。   
      従ってこの場合、審判請求人は、通常通り、出願人は、Appeal Brief(審判請求の実体的な理由
      を示した書面)を、結論発送日から1月、若しくは審判請求から2月のいずれか長い期間内に提出
      することができる。
   2)審査再開(再審査)
      新たな拒絶が発見された場合には、審査が再開され、審査官から拒絶通知がされる。
      その際、補正案が示されることがある。

   3)許可
       特許が可能と判断された場合には、許可通知が出される。
  4)請求不備
     提出物不備によるプレアピールの申請却下。審判請求人は、通常通り、審判請求から2か月以内に
     審判理由補充書(appeal brief)を提出しなければならない。
41.ターミナルディスクレーマー (Terminal disclaimer)(特許権の存続期間の一部放棄)
    所有者が特許期間の一部を放棄(disclaim)する手続であり、一方の特許期間の終期を他方の特許の満了日と一致させることにより特許期間の実質的な延長を回避し、また、拒絶理由を解消させるもの(37 CFR 1.321(c), MPEP § 1490)。
    ① 特許期間の実質的な延長を回避
      例えば最初の特許出願Aをするとともに、当該出願と関連して別の特許出願B(継続出願や一部継続出願等)
   をした場合に、特許出願Aが許可されると、その特許権の存続期間の終期は特許出願日から20年間であり、
   その後に特許出願Bにおいて自明程度の相違しかない発明に特許を受けた場合に、その存続期間は、一番目
   の特許のそれと同時に終了する。
   ②ターミナルディスクレーマーの内容
    (a) 発明者が既に自分の発明について特許を受けていて、さらに基本的に同じ発明について別の特許出願
    をしたときに、その相違が自明のものであれば、米国特許商標庁は、特許出願人に対して、二番目の特許
    を制限する旨の宣誓書(Terminal disclaimer)に署名することを求める。
    (b) ターミナルディスクレーマーは、二番目の特許が一番目の特許と同時に終了すること、二つの特許が同一人
    に帰属するときにのみ有効であることを宣言するもの。

   ③ ターミナルディスクレーマーが要求される場合
    (a) 例えば、特許出願が継続出願であって元の特許出願(親出願)や他の継続出願(兄弟出願)との
        double patentingを回避する必要がある場合
    (b) 再審査においてもdouble patenting による拒絶理由を回避するためにTerminal disclaimerの
     提出が必要となる場合
42.付与前情報提供(第三者による特許成立前の情報提供)
     (Pre-issuance Submissions by Third Parties)
 (122条(e))
   特許成立が認められる前に、第三者が匿名で先行技術を提出して審査官の注意を促すことができる。
   例えば、競合会社によって出願された公開特許公報を常に調査し、必要があれば先行技術を調査し、先行技術を米国特許商標庁に提出することができる。
   情報提供は匿名で(真の利害関係人を特定することなく)、することができる。
   特許が成立した後に特許の無効性を争う手続きとしては、査定系再審査、当事者系レビュー、付与後レビュー、特許無効確認訴訟等が考えられる。しかし、多額の費用がかかり、特許侵害紛争やライセンス問題などさまざまな法的問題が発生する。そのため、特許成立前の当該情報提供制度を活用する。
  ・ 第三者によって提出が可能な先行技術は特許、公開された特許出願、印刷刊行物に限られる。
  ・第三者によって提出が可能な期間
     特許が許可される前。
     特許が許可される前であっても
         (1) 出願の公開から6か月、又は、最初の拒絶理由通知の発行のいずれか遅い時期が経過後は、
            先行技術を提出することができない
            例えば、出願公開の6か月前に最初の拒絶理由通知が出されたとしても、出願公開後6か月間は
            特許成立前の情報提供が可能。
         (2) 出願公開から6か月経過しても最初の拒絶理由通知(132条)が出されていなければ情報提供が可能
 ・特許成立前の情報提供の他の要件

   (1)陳述書
       提出された個々の文献と審査中の特許出願との関連性について、陳述書を添付しなければならない。
       情報提供では、先行技術を提出することの有効性が高まった。クレームチャートを提出することも可能である。
       関連性の記載で長いだけの要点を得ていない説明は、情報提供自体を無意味なものにしかねないため、
      少数の文献を簡潔な関連性の説明とともに提出するのが好ましい。
  (2)手数料の支払い
  (3)提出する先行技術が英語でない場合は、翻訳とともに提出する。
43.特許付与後レビュー(付与後異議申立) (PGR(Post Grant Review) (321条-329条)
   (1) 対象
     2013年3月16日以降の有効出願日を有する特許が対象。
   (2) 申立期間
     特許発行日(特許付与後または再発行日)から9カ月以内。
   (3) 請求人適格
     特許権者以外の者が請求可能。匿名での請求は不可。利害関係人の明示が必要。
   (4) 申立理由
     ベストモード要件を除き、当事者系レビューのような特許や印刷刊行物による102条、103条の無効理由には
    限定されず、全ての無効理由で請求が可能。
     たとえば、明らかに明細書に記載されていないことがクレームされているとか、Means plus functionクレームで
   明細書に構造が記載されていないとか、Bilski判決の基準によれば、特許にならないはずのビジネス方法特許が
   認められている等の特許無効理由でも、無効主張が可能。
   (5) 付与後レビューの最終決定
     手続開始の通知後 1 年以内に下されなければならず、正当な理由により 6ヶ月以内の延長が許される。
     手続が短期間であることは、付与後レビューを地方裁判所の訴訟手続に対する魅力ある代替手続にする上で
    重要である。他方、請求人は、手続遂行の準備を迅速に行わなければならない。
   (6) 不利益
      ① エストッペル(禁反言)条項あり
          申立人が付与後レビュー手続き中に主張した無効事由と合理的に主張し得た無効事由を、後の特許商標庁
        の手続き、民事訴訟やITC(米国国際貿易委員会)調査手続き中、又は地方裁判所のあらゆる手続に対して、
        禁反言が適用され主張をすることができない(325条(e))。
          そのため、真の利害関係人を特定しなければならない。

     ② 高コスト
         当事者系の手続きであるため、どちらかが控訴すれば,連邦巡回区控訴裁判所(CAFC))で争うことになり、
    費用がかかる。

     限定的ではあるがディスカバリー制度(裁判所を利用した、情報開示請求の制度)が認められており、費用を
    増加させる恐れがある。

44.当事者系レビュー (IPR(Inter Partes Review)) (311条、312条)
   当事者系再審査(Inter Partes Reexamination)に代わり、2012年9月16日に施行されている。
  (1) 当事者系レビューを請求できる時期
     特許の発行日(再発行を含む)から9カ月経過後以降か、付与後レビューが開始された場合は、その全ての
  付与後レビューが終了した日以降のうちいずれか遅いほう)。
     特許侵害訴訟の訴状が送達されて1年を超えた場合、IPRを申し立てることはできないため、速やかに特許無効資料を
    調査の上、IPRによって無効主張するかどうかを判断しなければならない。
  (2) 請求人適格
     特許権者以外の者が請求することができる。ただし、匿名での請求はすることができない。真の利害関係人を特定
   しなければならない。
  (3) 請求理由
     特許または刊行物に基づく新規性欠如と非自明性のみ、かつ、先行技術特許及び他の刊行物のみを用いて、
   1つ又は複数のクレームの無効を求めることができる(当事者系再審査と同様)。全ての特許が対象である。
     当事者系レビューは当事者系再審査と異なり、審査官による審査を経ず、開始決定がなされたら直接ボード
   (Patent Trial  and Appeal Board)で判断される。これにより手続き期間の短縮を図っている。
  (4) 禁反言条項(エストッペル)あり
     申立人が付与後レビュー手続き中に主張した無効事由と合理的に主張し得た無効事由は、後の特許商標庁の
   手続きや民事訴訟やITC(米国国際貿易委員会)調査手続き中に主張することができない。
     禁反言条項は、特許審判部(Patent Trial and Appeal Board)による最終決定書が発行された後に限り、
   適用される。
  (5) 当事者系レビューは、下記の点で当事者系再審査よりも手続が厳しい
     ① 当事者系レビューでは、当事者系レビューを支持する専門家の宣誓供述書(又は宣言書)が一般的には提出されることとなる。
          したがって,有能な専門家を持つことが重要になると思われる。
     ② 宣誓供述をした者はディスカバリーの対象となる。
          証言録取(デポジション)が行われるので、適切な宣誓供述人を選択しなければならない。
     ③ 当事者系レビューは、特許審判部において開始される
     ④ 当事者系レビューは、極めて速く進行する
         当事者系レビューは、特許商標庁がレビューを開始してから1 年(又は例外的な場合には6か月まで延長可能)以内に終了する
       ことが求められる(316 条 (a)(11))。そのため、費用は低額に抑えることができる。
     ⑤ 手続の完了までの期間が非常に短い
         遅れて証拠を提出する機会はほとんどない。再審理などの可能性もない。

     ⑥ 侵害訴訟の提起から1年以内に請求しなければならない。
        ただし、第三者が特許無効の民事訴訟を提起した場合は、その限りではない(制限されない)。
     ⑦ 自明性の判断に関する連邦巡回区控訴裁判所への上訴は、再度の検討を禁止する「実質的証拠」基準によって判断される。
45.補充審査 (Supplemental Examination) (257条)
 補充審査は、情報開示義務違反の不公正行為を理由とする侵害訴訟における権利行使不能を回避することを目的とする。(AIAの法改正により導入)
請求人 :特許権者のみ
請求期間:特許存続期間中
請求の根拠:特許又は刊行物に限定されない
請求目的:出願時に開示しなかったIDS情報の審査
手続き :IDS情報の提供と同時に請求
審査  : IDS提供データによって、実質的に新規な疑問(問題)が生じるか否か

費用  :非常に高額(100万円以上)
効果  :実質的に新規な問題が生じない場合には、当該IDS情報により特許が行使不可能と
       認定されることはない (257条 (c)(1))
対応  :IDS提示が実質的に新規な疑問あると判断された場合には、査定系再審査
      (ex parte reexamination)が開始される(257条(b))
46.再発行出願 (reissue patent application) (251条、37 CFR 1.171, MPEP §1410)
    特許の全体又は一部が過誤によって機能しない(inoperative)場合、有効ではないときには、その過誤を正すために既に発行された特許の内容を変更し、再度の特許処分を求める特許出願をいう。特許成立後にクレームを拡張できる唯一の手段。明細書の誤記・欠陥の解消、優先権主張の手続き不備解消、発明者の修正、特許性にかかわる情報の提出も可能。
  請求時期:元の特許の発行から2年以内
  請求人 :特許権者
  手続き :出願人は、再発行出願に際し、元の特許を放棄しなければならない。
  再発行特許出願人の宣言(Reissue Declaration)をしなければならない。

  審査  :通常出願同様の審査が行われる
  効果  :修正内容で問題がなければ、修正された内容の特許が再発行(reissue)される
         なお、存続期間は、元の特許の存続期間の残存期間となる。
47.査定系再審査 (ex parte reexamination) (302条)
    印刷刊行物に基づく特許性を特許商標庁に再度審査してもらう制度であり、特許権者又は第三者が請求可能。再審査手続きの中でクレームの訂正が可能である。
  請求時期 : 特許発行後
  再審査対象 : すべての特許が審査の対象
  請求人 :何人も(特許権者も含む)請求できる
          匿名も可能。真の利害関係人を特定する必要はない。
  参加 : 著しく制限される
  ディスカバリー制度 : なし

特許特許審査官が取り扱う
  請求請求人が手続きに関与しづらく、意見を主張するタイミングが限られる。そのため、IPRやPGRを利用することが多い。
  禁反言 (Estoppel) :適用無し
48.権利化後対応のまとめ





49.審決取消訴訟(145条)
  (1)出訴できる者
      出願人、再審査を除く特許権者
  (2)出訴先
     CAFC若しくはバージニア州東地区連邦地方裁判所。なお、両裁判所に出訴することはできない。
50.実用新案制度

    実用新案制度はない。
51.加盟している条約
    パリ条約、PCT、WTO協定、ブダペスト条約、特許法条約